勉誠通信32号(2011/7/1発行)

 

これまで、当社で配信していたWEB版PR誌「勉誠通信」ですが、体裁を改め、今後はこのような形式でご提供していくことになりました。
引き続きご愛読のほど、宜しくお願いいたします。

 

Pick Up

『ひらめきをのがさない! 梅棹忠夫、世界のあるきかた』

国立民族博物館 小長谷有紀(こながや・ゆき)


 梅棹忠夫といえば、元祖「知的生産の技術」者で、「文明の生態史」論をぶちあげたおかた。ユーラシア大陸をばっさり2つに分けて論じてしまうほどに、思想構築において大鉈をふるった男です。
 梅棹の真骨頂はグランドセオリー。それを人は、大風呂敷ともいうね。ただし、この風呂敷は、実はとてつもなく精緻な観察にもとづいていたんですうってことがわかるのが、ウメサオタダオ展です。



 タローの造形による「太陽の塔」の向こう側に、タダオの指揮による「国立民族学博物館」があり、その特別展示館で開催中(3月10日から6月14日まで)。まずは、ぜひそこで、生ものの資料をご覧ください。12歳のときの、山あるきの精緻な記録。15歳のときに初めてつくった本。20歳のとき、遭難しかかった白頭山までの道行きのスケッチ。22歳のとき、大興安嶺でさえずる鳥たちの声の採譜。などなどなど。ありとあらゆる精緻な観察記録の生ものがお楽しみいただけます。

 けれども、展示はいずれ消えゆく運命でございます。そこで、楽しさを紙面にとどめるべく、いくつかの本をご用意させていただきました。博物館として作成した正式な図録は『梅棹忠夫-知的先覚者の軌跡』です。彼の生涯を写真や評論でふりかえります。一方、彼自身のことばをあじわおうというのなら、『梅棹忠夫のことば』がお勧めです。数々の名言をふくむ文章をつまみぐいして、梅棹の文明論を早分かりしちゃいましょう。




 そして、このたび新たにここにご紹介するのが『ひらめきをのがさない!梅棹忠夫、世界のあるきかた』です。梅棹流の記録のしかた、旅の証しのつくりかた、に焦点をあてました。彼の描いたスケッチや撮った写真などと、彼の書いた文章とを、照合しながら、読み進めてみてください。すると、あーら不思議、どうしたことでしょう。なんとなく、自分でもできるような気がしてくるではありませんか。とならんことを大いに期待して編集させていただきました。



 世界をあるき、事象を観察し、書きとめるほどに、自らのセンサーの感度が高まり、事象の背後にあって見えない論理も見えてくる。そんな梅棹流の世界のあるきかたは、より多く、より大きく感動する旅のしかたでもあります。どでかい理論を生むことになる、こまかな観察の、こまめな記録とはいかなるものなのか、ご自分の目でぜひともお確かめください。

特別展 ウメサオタダオ展
* 開催期間:3月10日(木)~6月14日(火) 【本展覧会は終了しました】
* 休館日:毎週水曜日(ただし、5月4日(水・祝)は開館)
* 開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
* 無料観覧日:3月13日(日)、5月5日(木・祝)
* 主催:国立民族学博物館
* 協力:財団法人千里文化財団

 

ひらめきをのがさない! 梅棹忠夫、世界のあるきかた

ひらめきをのがさない! 梅棹忠夫、世界のあるきかた

梅棹忠夫 著/小長谷有紀・佐藤吉文 編

定価2,310円(本体2,200円)

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