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ジヨウノケンキュウ

字様の研究

唐代楷書字体規範の成立と展開

西原一幸 著

定価 10,584円 (本体9,800円) 在庫あり

数量:

文字の「正しさ」は如何に規定されてきたか

「字様」とは字形、字音などの類似によって錯誤に至る可能性のある楷書を広く弁別するために撰述された典籍である。日本最古の漢籍目録『日本国見在書目録』や日本撰述の古辞書の注文にも数点が確認される。「字様」は、主に隋・唐代に盛行し、科挙制度とも深く結びつきながら、「開成石経」にまで至る楷書字形のあるべき姿を決めていった。
一方で、「正しさ」が規定される中で、所謂通行字体としての「俗体」という概念を浮かび上がらせていく。
隋・唐代における文字への意識の体系を、実証的研究により明らかにしていく刺激的な一書。文・史・哲すべてに関わる重要な研究成果。

ISBN 978-4-585-28017-0 Cコード C3080
刊行年月 2015年4月 判型・製本 A5判・上製  496 頁
キーワード 東アジア, 漢文, 言語

目次

まえがき

基本篇
 第一章 『新撰字鏡』所引の『正名要録』
  はじめに
  一 『新撰字鏡』序文に引用された『正名要録』
  二 敦煌文書S388番写本後半部に見える『正名要録』
  三 『正名要録』の成書年代
  四 敦煌写本『正名要録』残巻と『新撰字鏡』所引本とは同名同書か
  結語

 第二章 唐代楷書字書の成立―『顔氏字様』から『干禄字書』『五経文字』へ―
  はじめに
  一 唐代の字様のあらまし
  二 字様の二つのタイプ
  三 既存の資料を用いて構成される字様の展開の筋道
  四 新資料(スタイン388番文書)による展開過程の検証
  結語

 第三章 『顔氏字様』以前における楷書整理と『正名要録』の成書年代
  はじめに
  一 『顔氏字様』の成書年代
  二 唐以前における楷書の整理
  三 『正名要録』の成書年代
  四 劉炫撰『五経正名』
  結語

 第四章 独立の典籍範疇としての字様
  はじめに
  一 『干禄字書』『五経文字』は字書か
  二 隋・唐代の弁似体系と字様
  三 字様とは何か
  結語

 第五章 敦煌出土『時要字様』残巻
  はじめに
  一 隋唐代の弁似の体系
  二 S5731『時要字様』残巻
  三 字様の歴史における『時要字様』の位置
  結語

 第六章 敦煌出土『新商略古今字様撮其時要並引正俗釈』残巻
  はじめに
  一 『新商略古今字様撮其時要並引正俗釈』の概要
  二 本書の標字配列の原則
  三 『新商略古今字様撮其時要並引正俗釈』とは何か
  結語

 第七章 『干禄字書』と『五経文字』、その違いはどこからきたか
  一 従来の研究と問題点の所在
  二 『干禄字書』には正体が記され、『五経文字』にはそれがないのは何故か
  三 『干禄字書』の字形規範の歴史的意味
  四 『干禄字書』の正俗の概念はどこからきたのか
  結語

 第八章 杜延業撰『群書新定字様』の佚文
  はじめに
  一 前稿の概略
  二 『群書新定字様』の佚文
  結語

 第九章 敦煌出土『正名要録』記載の字体規範の体系
  はじめに
  一 『正名要録』異体字弁別用語の問題点
  二 『正名要録』と『顔氏家訓』
  結語

 第十章 俗体とは何か―顔元孫と俗体の成立―
  はじめに
  一 俗体とは何か
  二 俗体の先蹤
  結語

 第十一章 顔氏一族と『干禄字書』、俗字の活用
  一 『干禄字書』はどんな書物か
  二 顔元孫と顔之推、顔師古
  三 顔元孫と顔真卿

 第十二章 開成石経と唐玄度撰『九経字様』―石経字形は如何にして決められたか―
  はじめに
  一 国子監牒文
  二 牒文となった唐玄度状
  三 石刻の決定
  四 石経刻石までの経緯
  五 石経創立の意図
  六 石経創立を建議したのは誰か
  七 何のために立てるのか
  八 石経字形(正体)はいかにして決められたのか
  九 『五経文字』『新加九経字様』は何のために附刻されたか
  十 「世間が(この)正体字形に驚くかどうか」、正体を決めたもう一つの規準
  十一 石経は定着したのか
  十二 甘露の変
  結語

 補説 顔師古撰『顔氏字様』に字体規範は存在したのか


応用篇
 第十三章 『新撰字鏡』本文中における『正名要録』の利用
  はじめに
  一 方法上の問題点の検討
  二 対照一覧と『正名要録』出典部分の根拠
  三 考察
  結語

 第十四章 図書寮本『類聚名義抄』所引の『干禄字書』
  はじめに
  一 図書寮本『類聚名義抄』所引の『干禄字書』は直接引用か
  二 図書寮本『類聚名義抄』における『干禄字書』引用の意図
  結語

 第十五章 図書寮本『類聚名義抄』所引の「類云」とは何か
  はじめに
  一 佚文の検討
  二 『類音決』の標字配列と注文の特徴
  三 「類」とは何か
  結語

 第十六章 『類音決』の佚文―図書寮本『類聚名義抄』所引の「類云」とは何か―(補遺)
  はじめに
  一 前稿の結論と佚文の概略
  二 『悉曇要訣』所引の佚文
  三 『悉曇輪略図抄』所引の佚文
  四 『龍龕手鑑』所引の佚文
  結語

 第十七章 隋・唐代における字体規範と仲算撰『妙法蓮華経釋文』
  はじめに
  一 隋・唐代の字体規範の変遷
  二 『法華経釈文』の字体注記の意味
  結語

 第十八章 異体字同定上の問題点
  はじめに
  一 異体字同定上の問題点
  二 字体規範用語の相互関係
  三 字体規範用語の相互関係
  結語

 第十九章 唐代楷書字体規範からみた『龍龕手鏡』
  はじめに
  一 『龍龕手鏡』の中の異体字
  二 『龍龕手鏡』字体注記から生じる疑問
  三 『干禄字様』の字体注記
  四 唐代には字体規範という考え方が存在した
  五 再び『干禄字様』の字体注記
  六 『龍龕手鏡』の字体注記
  七 『龍龕手鏡』字体注記の意味するもの
  八 『龍龕手鏡』字体注記の特徴(結語)
  解説篇

 第二十章 敦煌出土S388番写本概要
  はじめに
  一 S388文献全体の書誌
  二 『S388字様』(仮称)について
  三 『正名要録』について

 第二十一章 字様の研究史

 第二十二章 唐代楷書字体研究に果たした敦煌出土スタイン388番写本の役割―『正名要録』と『群書新定字様』―
  はじめに
  一 388番写本記載の典籍概要
  二 『正名要録』の果たした六つの役割
  三 『群書新定字様』の果たした三つの役割
  結語

あとがき

初出一覧

索 引

編著者プロフィール

西原一幸(にしはら・かずゆき)
1947年生まれ。金城学院大学教授(文学部外国語コミュニケーション学科)。専門は中国・日本の古代辞書。

書評情報

「月刊書道界」7月号にて、本書の書評が掲載されました。(評者:臼田捷治(作家))

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