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シベゴノモダリティノケンキュウ

シベ語のモダリティの研究

児倉徳和 著

定価 12,960円 (本体12,000円) 在庫あり

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発見、思い出し、判断、許可、質問、クイズ、確認、思いまどい…
現代に生きる満洲語の思考表現に迫る

中国・新疆ウイグル自治区で話されるシベ語は、いまなお話され続ける満洲語の一変種として知られる。シベの人々の頭の中で、情報や知識はどのように処理されているのか? シベ語は彼らの思考とどのように関わっているのか?
フィールドワークで出会った日常のやりとりを手掛かりに、日本人研究者がシベの人々の思考とシベ語の文法システムを探る、モダリティ研究への挑戦。
ことばのダイナミクスを存分に味わうことのできる一冊。

ISBN 978-4-585-28039-2 Cコード C3087
刊行年月 2018年3月 判型・製本 A5判・上製  480 頁
キーワード 中国, 言語

目次

はじめに

第1部 序説
第1章 シベ語の概要
 1.1. 地理的情報
 1.2. 言語学的情報
 1.3. 音韻論
 1.4. 形態論
 1.5. 文と節の構造
第2章 シベ語の先行研究
 2.1. 李ほか(1984,1986)
 2.2. 朝克(2006)
 2.3. 張泰鎬(2008)
 2.4. 薩蒙ほか(2011)
 2.5. Zikmundová(2013)
 2.6. 先行研究による記述の検討
第3章 分析と記述のための枠組み
 3.1. テンス・アスペクトとモダリティ
 3.2. 言語と言語主体の心内における情報・知識の処理
 3.3. 言語主体の心内における情報・知識の処理に関わる要素
 3.4. 対話における情報・知識の処理
 3.5. 主観性と間主観性
 3.6. 情報・知識の処理と統語的・韻律的特徴
 3.7. シベ語の言語形式の分析における本書の立場と仮定
 3.8. 第3章のまとめ
第4章 ムード・アスペクト接辞の意味
 4.1. -miの意味:-maχe=iとの比較から
 4.2. -miの意味:-Xe=iとの比較から
 4.3. -Xe=iと-maχe=iの比較
 4.4. 否定形=qu, -Xaqu=i, -maχaqu=i
 4.5. ムード・アスペクトの対立を持たない動詞
 4.6. -mi, -maχe=i, -Xe=iのテンス性
 4.7. 第4章のまとめ

第2部 モダリティ接語=i, =ŋeの意味と機能―意味・音韻・統語の総合的分析
第5章 動詞完了形の三形式の意味と機能
5.1. 動詞の三形式の概要
5.2. 動詞完了形の三形式の機能
5.3. 三形式の機能の統一的分析に向けて―発話参与者の知識状態の変化から
5.4. 否定形V-Xaqu=i, V-Xaqu=ŋe, V-Xaqu
5.5. 第5章のまとめ
第6章 疑問文における動詞完了形三形式の意味と機能
 6.1. 疑問文における動詞完了形三形式の機能
 6.2. 疑問文が表す発話参与者の知識状態の変化
 6.3. 第6章のまとめ
第7章 動詞非完了形・非現実形の三形式
 7.1. 非完了の三形式V-maχe=i, V-maχe=ŋe, V-maχe
 7.2. 非現実の三形式V-mi, V-re=ŋe, V-re
 7.3. 名詞・形容詞における動詞三形式の機能
 7.4. 第7章のまとめ
第8章 動詞三形式の表す知識状態の変化とイントネーション
 8.1. シベ語のイントネーション
 8.2. 文の述部の形式とイントネーション
 8.3. 第8章のまとめ
第9章 ŋe形と単独形の非述語用法
 9.1. 名詞用法
 9.2. 連体用法
 9.3. 第9章のまとめ

第3部 補助動詞bi-,o-,yela- の意味と機能
第10章 補助動詞bi-の意味と機能
 10.1. 平叙文における補助動詞bi-の機能と知識状態の変化
 10.2. 疑問文における補助動詞bi-の機能と知識状態の変化
 10.3. 語りにおける補助動詞bi-の機能と知識状態の変化
 10.4. なぜ補助動詞bi-は完了形しかとらないのか
 10.5. 第10章のまとめ
第11章 補助動詞yela-の意味と機能
 11.1. 平叙文における補助動詞yela-の機能と知識状態の変化
 11.2. 疑問文における補助動詞yela-の機能と知識状態の変化
 11.3. なぜ補助動詞yela-は単独形が用いられないのか
 11.4. 補助動詞yela-の表す知識状態の変化と「停止」
 11.5. 第11章のまとめ
第12章 補助動詞o-の意味と機能
 12.1. 平叙文における補助動詞o-の機能と知識状態の変化
 12.2. 疑問文における補助動詞o-の機能と知識状態の変化
 12.3. 補助動詞o-の表す知識状態の変化と「変化」
 12.4. 第12章のまとめ
第13章 結論
 13.1. 本書の分析のまとめ
 13.2. 先行研究への位置付け
 13.3. 残された問題

参考文献
あとがき
索引

編著者プロフィール

児倉 徳和(こぐら・のりかず)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・助教。
2013年、博士論文「シベ語のアスペクト・モダリティの研究―知識状態の変化に基づく体系化」東京大学人文社会研究科に提出、博士号授与。専門はシベ語の調査研究。
主な著作に「シベ語の三つの動詞完了形 -Xei, -Xeŋe, -Xeの機能と節の階層:なぜ -Xeのみが連体用法を持つのか?」(2013年、『北方言語研究』3:155-174)や、「シベ語の世界」(中川裕監修・小野智香子編『ニューエクスプレス・スペシャル 日本語の隣人たちⅡ』72-91.白水社.久保智之氏との共著)がある。