基礎学から文芸・教養書までを刊行する総合出版社。
Publishing the books about Japanese literature, history and etc.

  • ホーム
  • お知らせ
  • ご利用案内
  • お問い合わせ
  • 会社案内
特集ページ
e-bookguide.jp

ホンポウニオケルサンゴクシエンギジュヨウノショソウ

本邦における三国志演義受容の諸相

長尾直茂 著

定価 12,960円 (本体12,000円) 在庫あり

数量:

東アジア共通の古典として、その名を喧伝される『三国志演義』。
日本人は関羽を、諸葛孔明を、そして『演義』をどのように理解したのか―

室町期の博士家・禅林における漢学、近世初期に舶載された漢籍・朝鮮本のなかに、『演義』および中国通俗小説の受容の端緒を探り、さらには、元禄期以降幕末期に至るまでの『演義』受容の諸相を明らかにする。
テクストの受容のみならず、絵画資料や日本人の思想・歴史観にも言及し、さまざまな展開を見せた東アジア随一の通俗小説の受容過程と様相を描き出すことを試みた労作。

ISBN 978-4-585-29179-4 Cコード C3095
刊行年月 2019年3月 判型・製本 A5判・上製  592 頁
キーワード 中世, 出版, 古典, 室町, 江戸, 近世

目次

プロローグ
凡 例

第一部 博士家と禅林における中国通俗小説受容
 第一章 中世禅林における『新刊全相平話前漢書続集』の受容―清家文庫所蔵『漢書抄』への引用をめぐって―
  一 全相平話五種をめぐって
  二 『漢書帝紀抄』における『前漢書平話続集』の引用について
  三 中世禅林における漢書家の系譜
  四 『漢書帝紀抄』に『前漢書平話続集』を書き留めたのは何人であるか
  五 中世における『前漢書平話続集』の受容
  附一 『前漢書平話続集』『漢書帝記紀抄』対照表
  附二 〈漢書家之系譜〉
 第二章 清原宣賢の中国通俗小説受容―『蒙求聴塵』を題材として―
  一 『蒙求聴塵』について
  二 宣賢と『漢書』を題材とする通俗小説
  三 『蒙求聴塵』に見る中国小説受容の痕跡ついて
 第三章 中世禅林における関羽故事の受容―「百万軍中取顔良」故事と関羽所用の大刀をめぐる一考察―
  一 無著道忠『禅林象器箋』披見
  二 関羽故事「百万軍中取顔良」をめぐって
  三 関羽所用の大刀をめぐって
  四 中世禅林における関羽故事受容の概略
 第四章 中世禅林における諸葛孔明像
  一 羽扇綸巾の人
  二 中世禅林における諸葛孔明像の背景
  三 諸葛孔明と葛巾・羽扇
  四 諸葛孔明像の形成と『三国志演義』

第二部 『通俗三国志』をめぐる諸論考
 第一章 『通俗三国志』について
  一 通俗物とは
  二 書誌
  三 翻訳者文山について
  四 文山訳『通俗三国志』とその他の翻訳書について
  五 西川嘉長
  六 栗山伊右衛門
  七 翻訳の底本
  八 正史『三国志』披見の有無について
  九 柳成龍『西厓先生文集』の利用について
  十 朝鮮版『三国志演義』との関連について
 第二章 『通俗三国志』の俗語翻訳について
  一 全篇に亙る翻訳態度について
  二 俗語語彙の翻訳について
  三 元禄期における文山訳の意義
 第三章 『通俗三国志』に見る翻訳の諸相―はたして翻訳は一人の手になったのか―
  一 『通俗漢楚軍談』巻之七までに見る章峯の翻訳態度
  二 『通俗漢楚軍談』巻之八以降に見る徽菴の翻訳態度
  三 『通俗三国志』に散見される徽菴訳の特徴
  四 「通俗」の意味するところ
 第四章 「通俗物」の介在を論ず―山東京伝の中国通俗小説受容―
  一 京伝と「通俗物」
  二 『通俗忠義水滸伝』の利用について
  三 『通俗酔菩提全伝』の利用について
  四 『通俗赤縄奇縁』の利用について
  五 『通俗金翹伝』の利用について
  六 「撮合」の意味するところ

第三部 『三国志演義』世界の伝播と浸透
 第一章 江戸時代の漢詩文に見る関羽像―『三国志演義』との関連において―
  一 幕初から貞享期にかけて(一六〇三~一六八八)
  二 元禄期から享保期にかけて(一六八八~一七三六)
  三 元文期から享和期にかけて(一七三六~一八〇四)
  四 文化・文政期から幕末まで(一八〇四~一八六七)
 第二章 江戸時代の絵画における関羽像の確立
  一 関羽像の淵源
  二 関羽像の確立
 第三章 江戸時代の漢詩文に見る羽扇綸巾の諸葛孔明像―『三国志演義』との関連において―
  一 武井柯亭賛・狩野養信画「諸葛孔明像」
  二 幕初から貞享期にかけて(一六〇三~一六八八)
  三 元禄期から享保期にかけて(一六八八~一七三六)
  四 元文期から享和期にかけて(一七三六~一八〇四)
  五 文化・文政期から幕末にかけて(一八〇四~一八六七)
 第四章 伊藤仁斎、東涯父子の諸葛孔明観
  一 王佐の人 諸葛孔明
  二 伊藤仁斎の諸葛孔明観
  三 伊藤東涯の諸葛孔明観
  四 仁斎と徂徠
 第五章 諸葛孔明批判論とその本邦における受容をめぐる一考察
  一 清原宣賢『蒙求抄』
  二 『輟耕録』に見る孔明批判
  三 薛能詩に見る孔明批判
  四 本邦の漢詩文に見る孔明批判受容
  五 草廬高臥の人
 第六章 近世における『三国志演義』―その本邦への伝播をめぐって―
  一 『演義』を媒介とする関羽像の本邦への伝播
  二 『演義』を媒介とする関羽像の地方への伝播
  三 『演義』を媒介とする趙雲像の本邦への伝播
 第七章 日本漢詩文に見る楠正成像―諸葛孔明との関連において―
  一 貝原益軒の楠正成評価
  二 朱舜水・安東省菴の楠正成評価
  三 漢詩に見る正成と孔明
  四 津阪東陽『忠聖録』

エピローグ

おぼえがき
巻末資料 江戸時代の漢学者による三国志詠一覧
三国志関連人名・事項索引
人名索引

編著者プロフィール

長尾直茂(ながお・なおしげ)
1963年福岡県生まれ。上智大学教授。専門は中国古典学・日本漢学。
主な著書に、新書漢文大系21『世説新語』(編著、明治書院、2003年)、『吉嗣拝山年譜考證』(勉誠出版、2015年)、『頼山陽のことば』(斯文会、2017年)などがある。

★広告情報
「朝日新聞」(2019年4月13日)に5段12割広告を掲載しました。