目次
序 言 新川登亀男
Ⅰ 歴史学を問う
文字資料と歴史の関係性を問う序説―上宮王家襲撃・滅亡記事をめぐって 新川登亀男
『古事記伝』と津田左右吉―「時」の開示をめぐる論説 早川万年
先学の言葉 榎本淳一
〈異文化理解〉について―これまでの「私」をふりかえる 水口幹記
韓国における日本古代史研究の可能性 鄭淳一
Ⅱ 史料をひらく
使者と文書 川尻秋生
『御堂関白記』の仮名 倉本一宏
中世近衞家の日記目録について 尾上陽介
『延喜式』写本系統の基礎的研究―巻五を中心に 小倉慈司
地域資料による古代史研究―上野三碑と上野国交替実録帳を中心に 前澤和之
ベトナムにおける新発見の陶璜廟碑 ファム・レ・フイ
Ⅲ 王権を考える
磐井の乱前後の北部九州と倭王権 田中史生
角氏の氏族的性格とその王権奉仕―両貫制という視点より見た 加藤謙吉
高麗王若光と武蔵国高麗郡 鈴木正信
平安初期における王権の多極構造―皇位継承と王権内の女性の位相 仁藤智子
Ⅳ 制度を解く
『隋書』倭国伝の「八十戸」―北康宏氏の所説にふれて 篠川賢
律令官人制と古代の東北 十川陽一
九世紀の仕丁制と日功 堀部猛
外交文書開封にみる政治文化 浜田久美子
Ⅴ 人間の歴史を問う
「聖徳太子」の名号について 仁藤敦史
桓武朝の男女の別政策 小林茂文
古代の人々と化身 三宅和朗
日本古代の国家と災害認識 山口えり
Ⅵ 課題史を考える
応和宗論の再検討 石附敏幸
伊勢平氏と日宋貿易―研究動向と史料の整理 森公章
国譲り神話の場所をめぐって 瀧音能之
渋沢敬三と漁業史研究 亀谷弘明
Ⅶ 歴史を開示する
古代地方史研究の課題―新潟県を例として 浅井勝利
現代社会における地域社会史研究の意義と課題 傳田伊史
古代史研究におけるデジタルアーカイブの活用
―黒川春村校訂「尾張国解文」の各種写本を事例として 藤原秀之
古代史研究と教育のいま―座学からアクティヴ・ラーニングへ 井上亘
Ⅷ 自他を往還する
韓国古代史学界における『日本書紀』活用の現状と問題点 李永植
共存の歴史学―韓国における日本古代史研究の動向と課題 金善民
日本列島の古代史と韓半島の「質」 羅幸柱
入唐僧円仁と唐人楊敬之―円仁の求法巡礼を支えた唐人の交流ネットワーク 葛継勇
あとがき 川尻秋生
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