基礎学から文芸・教養書までを刊行する総合出版社。
Publishing the books about Japanese literature, history and etc.

  • ホーム
  • お知らせ
  • ご利用案内
  • お問い合わせ
  • 会社案内
特集ページ
e-bookguide.jp

ナンソウゲンダイニッチュウトコウソウデンキシュウセイ

南宋・元代日中渡航僧伝記集成

附 江戸時代における僧伝集積過程の研究

榎本渉 著

定価 18,360円 (本体17,000円) 在庫あり

数量:

南宋・元代に日中間を渡航した僧(107人)の伝記を一覧とし、重要記事を翻刻集成。東アジア海域交流史研究の基礎資料集。
附篇では、日本近世における僧伝伝来・集積の過程を精緻な調査研究より明らかにし、歴史資料としての僧伝を位置づける。史料論・書誌学研究における画期的成果。

【本書の特長】
◎当該期の日中交通史料の中でも僧伝中には他の史料では知り得ない事実を伝えるものが多々存在する。僧伝の網羅的収集とそれらに対する的確な史料批判により、東アジア海域交流史や仏教文化史研究の基礎史料を提供する。

◎南宋・元代(1127~1368)において日中を往来したとされる僧侶107名の伝記を網羅・集成。伝記中の渡航記事を抽出し、翻刻した。

◎当該僧伝の史料的信頼度を測る指標として、僧侶の示寂年月日・僧伝の選者・僧伝の成立時期の欄を設け、また、備考欄に僧伝の成立事情、撰者・撰述依頼者との関係、僧伝主人公との法系上の関係などを示した。渡航の史実が誤伝と考えられるものはその旨も指摘。

◎当該伝記の収録書(僧伝史料集等)、活字・影印本(古版本・写本含む)とその所在を示し、調査・研究上の利用の便を図った。僧伝史料の所在確認は、豊富な仏教史料の整理が必須であり、また特殊な知識も必要とされる。その点からも重要な基礎資料となるものである。

◎僧伝史料を収集・編纂した「僧伝史料集」の書誌情報・内容紹介および収載書目一覧を附し、史料的位置付けを明確にした。

◎対外関係史上、特に重要と考えられる史料は、諸本との対校の上、翻刻を掲載した。

◎論考篇では、入宋・入元僧や渡来宋元僧を含む禅僧の伝記にどのようなものがあり、それらがいかにして今に伝えられたかを明らかにする。これまで等閑に附されてきた近世における僧伝の収集と編纂という営みにメスを入れ、史料論・アーカイブズ論・書誌学等、諸分野における研究の基盤を提供する。

ISBN 978-4-585-21013-9 Cコード C3015
刊行年月 2013年3月 判型・製本 B5判・上製  560 頁
キーワード 中世, 交流史, 仏教, 室町, 日本史, 鎌倉

目次

序言

資料篇
第一章 本書の趣旨
 1-1 史料としての僧伝
 1-2 僧伝の史料的価値
 1-3 『続群書類従』の壁を越えて
 1-4 中世僧伝はいかにして保存されたか

第二章 南宋・元代日中渡航僧伝記一覧表の作成方針
 2-1 僧伝採否の基準
 2-2 伝記一覧表の凡例
  ア)「名前」
  イ)「渡航記事」
  ウ)「伝記名」「収録書」
  エ)「活字・影印本」
  オ)「撰述」
  カ)「備考」
 2-3 一覧表所引書籍の書誌など
 【活字・影印本】
 【僧伝史料集書誌】
 【僧伝一覧表未収僧伝集】

第三章 南宋・元代日中渡航僧伝記一覧表
 重源/明庵栄西/唯雅/覚阿/退耕行勇/俊芿/曇照/明全/道元/義雲/寂円/宗円/性才/円爾/神子栄尊/湛海/月翁智鏡/道玄/覚如・定舜/蘭渓道隆/了然法明/無本覚心/無関玄悟/無象静照/宗純/寒巌義尹/聖兼/蔵山順空/山叟慧雲/徹通義介/寂庵真照/空智/南浦紹明/兀庵普寧/樵谷惟僊/直翁智侃/約翁徳倹/白雲慧暁/大休正念/龍峯宏雲/西澗子曇/無学祖元/鏡堂覚円/玉山玄提/可庵円慧/愚直師侃/一山一寧/石梁仁恭/龍山徳見/遠渓祖雄/峨山韶碩/雪村友梅/東明慧日/無隠元晦/嵩山居中/復庵宗己/孤峰覚明/大智/無雲義天/少林如春/澄円/古先印元/放牛光林/霊山道隠/寂室元光/大朴玄素/別源円旨/月林道皎/無外円照/平田慈均/中庭宗可/要翁玄綱/中巌円月/不聞契聞/天岸慧広/一峰通玄/東伝正祖/清拙正澄/古源邵元/友山士偲/明極楚俊/竺仙梵僊/清渓通徹/約庵徳久/空叟智玄/愚中周及/性海霊見・龍田通見/鈍夫全快/独芳清曇/悟庵智徹/能翁玄慧/南海宝洲/無文元選/大拙祖能/金山明昶/椿庭海寿/東陵永璵/太初啓原/照慧/無我省吾/無方宗応/寰中元志/逆流建順/観中中諦/大極以中/秀涯全俊


第四章 僧伝史料集所収書目一覧
 表A:『続群書類従』伝部
 表B:『禅林僧伝』
 表C:『名僧行録』
 表D:正光庵本『諸祖行実』
 表E:天徳院本『禅林諸祖伝』
 表F:『扶桑禅林諸祖伝』
 表G:『諸師行実』
 表H:『諸祖伝』
 表I:『日本僧宝伝』
 表J:『本朝僧宝伝』
 表K:『聖一法嗣列祖記』
 表L:『東福諸祖行状』
 表M:『諸祖行状碑銘』
 表N:『諸師行録』
 表O:『禅林諸祖行状』
 表P:『達磨寺中興記 他』
 表Q:『本邦諸師行状塔銘』
 表R:『諸祖行実并塔銘』
 表S:『古徳行状像賛』
 表T:大徳寺系僧伝史料集(『禅宗古徳行状』含む)


論考篇
第一章 『続群書類従』伝部の成立
 はじめに
 1-1 『続群書類従』の編纂過程
 1-2 『禅林僧伝』と『名僧行録』
  1-2-1 『禅林僧伝』と『続群書類従』
  1-2-2 『禅林僧伝』諸本の比較
  1-2-3 『名僧行録』の内容
 1-3 『続群書類従』伝部と『禅林僧伝』『名僧行録』
  1-3-1 『続群書類従』の底本
  1-3-2 僧伝の配列の意味
 1-4 『諸祖行実』の検討
  1-4-1 『諸祖行実』の伝来
  1-4-2 『諸祖行実』利用の痕跡
 おわりに

第二章 『禅林諸祖伝』の編纂とその背景
 はじめに
 2-1 『禅林諸祖伝』の書誌
  2-1-1 天徳院本(加賀藩旧蔵本)
  2-1-2 水戸藩本
  2-1-3 諸本の比較
 2-2 『扶桑禅林諸祖伝』の書誌
  2-2-1 伝来
  2-2-2 構成
  2-2-3 『禅林諸祖伝』との関係
 2-3 『禅林諸祖伝』の先行史料
  2-3-1 門派単位の僧伝集成―臨済宗の場合―
  2-3-2 門派単位の僧伝集成―曹洞宗の場合―
  2-3-3 諸門派僧伝の集成
  2-3-4 門派を越えた僧伝収集の背景
  2-3-5 京都五山における僧伝収集状況
  2-3-6 五山寺院の由緒集成
  2-3-7 『禅林諸祖伝』成立の前提
 おわりに

第三章 僧伝収集家たちの活動と成果
 はじめに
 3-1 僧伝集編纂の概略
  3-1-1 古代・中世の僧伝集・僧伝史料集
  3-1-2 近世初頭の僧伝集
  3-1-3 黄檗僧の活躍と高泉性潡
  3-1-4 卍元師蛮の事蹟
  3-1-5 近世の僧伝集編纂の盛行
  3-1-6 曹洞宗の僧伝集刊行と清初仏教
 3-2 僧伝収集家たちの活動
  3-2-1 僧伝収集家「予」
  3-2-2 剛室崇寛
  3-2-3 虎林中虔
  3-2-4 皆山亭の永鼠子
  3-2-5 『名僧行録』『本朝僧宝伝』の夢窓派僧伝をめぐって
 3-3 林家の修史活動と僧伝
  3-3-1 『禅林僧伝』各冊の検討
  3-3-2 『禅林僧伝』の成立
  3-3-3 林羅山と『日本祖師伝』
  3-3-4 『禅林諸祖伝』と『日本祖師伝』
 3-4 僧伝集積の過程
  3-4-1 共有される僧伝
  3-4-2 「僧伝収集の世紀」の終焉
 おわりに

附論 種々の僧伝史料集
 はじめに
 1 『諸師行実』下冊・相国寺慈照院本『諸祖行実』
 2 『日本僧宝伝』
 3 『聖一法嗣列祖記』
 4 『東福諸祖行状』
 5 『諸祖行状碑銘』
 6 妙心寺龍華院所蔵史料
 7 建仁寺両足院所蔵史料
 8 その他の僧伝史料集
 9 『日本名僧伝』『五山名僧小伝』『五山群緇考』

出典一覧
 引用文献/引用史料

史料翻刻
 01 栄西入唐縁起(明庵栄西)
 02 神子禅師年譜(神子栄尊)
 03 神子禅師行状(神子栄尊)
 04-A 蘭渓和尚行状(蘭渓道隆)
 04-B 大覚禅師略伝(蘭渓道隆)
 05 直翁和尚塔銘(直翁智侃)
 06 蒙山和尚行道記(蒙山智明)
 07 勅謚大本禅師行状(嵩山居中)
 08 孤峰和尚舎利塔銘有序・大極以中略伝(孤峰覚明・大極以中)
 09 広恵禅師伝(大朴玄素)
 10 鈍夫快禅師行状(鈍夫全快)
 11 秀涯俊禅師行状(秀涯全俊)
 12 南海和尚伝(南海宝洲)
 13 無文禅師行業(無文元選)
 14 椿庭和尚行実(椿庭海寿)
 15 信中和尚小伝(信中以篤)

索 引
 人名/資料名/寺院名

編著者プロフィール

榎本渉(えのもと・わたる)
1974年青森県生まれ。1998年東京大学文学部卒業。2003年同大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。2006年学位取得(博士(文学))。2003年東京大学東洋文化研究所助手などを経て、現在、国際日本文化研究センター准教授。専門は東シナ海交流史(主に9~14世紀の日中交流)。
著書に『東アジア海域と日中交流―9~14世紀―』(吉川弘文館、2007年)、『僧侶と海商たちの東シナ海』(講談社メチエ、2010年)、共編書に『新編森克己著作集』全5巻(勉誠出版、2008年~)がある。

書評情報

「週刊仏教タイムス」(2013年7月25日)にて、本書の紹介文が、著者インタビューとともに掲載されました。

この書籍をお求めのお客様はこんな書籍もお求めになっています