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ゲンジモノガタリトイウゲンソウ

『源氏物語』という幻想

中川照将 著

定価 6,480円 (本体6,000円) 在庫あり

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「作者」とは何か、「原本」とは何か

紫式部による日本屈指の古典文学作品として位置づけられる『源氏物語』。
しかし、その「作者自筆原本」は現存していない。
それではわたしたちの前に存在する数多の『源氏物語』は、本当に紫式部の作った源氏物語と同じものと証明できるのであろうか。
「作者」「原本」という幻想とロマンのなかで生成されてきた物語へのフィルターを可視化し、文学史を問い直す。

それぞれの作品が“今、その形で存在している”ということ。しかしそれは、必ずしも作者の「原本」を忠実に継承していることを意味しているわけではない。それが「原本」の姿を忠実に継承していると考えられたからこそ“今、その形で存在している”のである。
ならば『源氏物語』という作品は、どのような「願望」のもとに作られ、または形を変えながら、今わたしたちの前に存在しているのか。本書の目的は、まさにそうした〝正しい『源氏物語』〟の歴史的変遷について明らかにすることにある。(「はじめに」より)

ISBN 978-4-585-29081-0 Cコード C1095
刊行年月 2014年10月 判型・製本 A5判・上製  336 頁
キーワード 中古, 古典, 平安

目次

はじめに

序 章 文学作品の〝正しさ〟について考える、その前に……

第一部 現在の『源氏物語』は、かつての源氏物語と同じものではない
第一章 正しい『源氏物語』とは、なにか
 一 青表紙本『源氏物語』が読まれている理由
 二 源氏物語に関する[わかること/わからないこと]
 三 源氏物語から『源氏物語』へ
 四 青表紙本も河内本も五四巻である、ということ
第二章 「青表紙本」を読む、ということ
 一 青表紙本の〝正しさ〟を支える論理
 二 青表紙本と河内本という二種類の〝正しさ〟
 三 青表紙本という〝正しさ〟への統一
 四 青表紙本から「青表紙本」へ
 五 それでも「青表紙本」を読む、ということ
第三章 転移する不審
 一 「みるこ」とは何か
 二 意識され続ける「みるこ」
 三 「青表紙本」における書き入れと「みるこ」の浮上
 四 〝「青表紙本」は読みにくい〟という事実が意味しているもの
第四章 奥入を[書き加える/切り離す]ということ
 一 現在の正統な「青表紙本」とかつての「青表紙本」
 二 奥入を書き加えた「青表紙本」たち
 三 奥入を切り離した「青表紙本」たち
 四 大島本を〝正統な「青表紙本」〟ではないと判断していた人たち
 五 大島本もまた「青表紙本」の一つである

第二部 『源氏物語』になれなかった『源氏物語』たち
第一章 淘汰された定家筆本『源氏物語』
 一 従来の長慶天皇所持定家筆本に対する評価
 二 『仙源抄』の論理
 三 「青表紙本」の形成/定家筆本の淘汰
 四 淘汰された本文/生き残った本文
第二章 〝正しくない『源氏物語』〟を読む―陽明文庫本の物語世界―
 一 〝正しくない『源氏物語』〟のすすめ
 二 夕顔巻における陽明本の物語世界
 三 六条御息所は、いつ伊勢下向を決意したのか?
 四 源氏が「男」となっていることの意味
 五 〈源氏の心移り〉とその結末
第三章 『源氏肝要』という〝はじめての『源氏物語』〟―梗概書から浮かび上がる『源氏物語』たち―
 一 荒唐無稽な〝正しさ〟を持つ『源氏物語』
 二 〝『源氏肝要』は『源氏小鏡』に近い”ということの意味
 三 『源氏肝要』に見える二つの性格
 四 『源氏肝要』が典拠としたもの
 五 『源氏肝要』使用上の注意

第三部 『源氏』研究の方程式と、『寝覚』研究の方程式
第一章 寝覚物語について考える……その前に押さえておきたい二つのこと
 一 「古本」「改作本」という術語・概念について
 二 『風葉和歌集』について


第二章 現存『寝覚』は果して原本なるか
 一 現存本と原本をつなぐ奇妙な「方程式」
 二 二種類の真砂君
 三 「あえか」な寝覚君と、「つぶつぶとまろ」な寝覚
 四 孤立する二度目の逢瀬の場面
第三章 現存本『寝覚』と、失われた原作本『寝覚』
 一 同一の展開の中に見えるわずかな差異
 二 二つの『寝覚』の差異と、現存本内部の《断層》
 三 現存本巻二における表記の《断層》
 四 二つの『寝覚』の違いが意味するもう一つの可能性

おわりに
あとがき

編著者プロフィール

中川照将(なかがわ・てるまさ)
1972年、福井県生まれ。1997年、福井大学大学院教育学研究科修士課程修了。修士(教育学)。2000年、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。皇學館大学文学部講師を経て、現在、同大学文学部准教授。
編著書に、『テーマで読む源氏物語論4 紫上系と玉鬘系―成立論のゆくえ』(勉誠出版、2010年)など。

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