目次
はしがき 清水光明
序論 「近世化」論の地平─既存の議論群の整理と新事例の検討を中心に 清水光明
Ⅰ 「近世化」論における日本の位置づけ─小農社会・新興軍事政権・朱子学理念
日本の「近世化」を考える 牧原成征
二つの新興軍事政権─大清帝国と徳川幕府 杉山清彦
【コラム】「近世化」論における中国の位置づけ 岸本美緒
十八世紀後半の社倉法と政治意識─高鍋藩儒・千手廉斎の思想と行動 綱川歩美
科挙と察挙─「東アジア近世」における人材登用制度の模索 清水光明
東アジア政治史における幕末維新政治史と
〝士大夫的政治文化”の挑戦 ─ サムライの〝士化” 朴薫
【コラム】「明治百年祭」と「近代化論」 道家真平
Ⅱ 「東アジア」の捉え方
織田信長の対南蛮交渉と世界観の転換 清水有子
ヨーロッパの東アジア認識─修道会報告の出版背景 木﨑孝嘉
イギリス商人のみた日本のカトリック勢力─リチャード・コックスの日記から 吉村雅美
【コラム】ヨーロッパ史からみたキリシタン史─ルネサンスとの関連のもとに 根占献一
近世琉球の日本文化受容 屋良健一郎
近世日越国家祭祀比較考─中華帝国の東縁と南縁から「近世化」を考える 井上智勝
【コラム】「古文辞学」と東アジア─荻生徂徠の清朝中国と朝鮮に対する認識をめぐって 藍弘岳
◎博物館紹介◎
「アジア学」資料の宝庫、東洋文庫九十年の歩み 岡崎礼奈
Ⅲ 近世史研究から「近代」概念を問い直す
儒教的近代と日本史研究 宮嶋博史
「近世化」論から見た尾藤正英─「封建制」概念の克服から二時代区分論へ 三ツ松 誠
【コラム】歴史叙述から見た東アジア近世・近代 中野弘喜
清末知識人の歴史観と公羊学─康有為と蘇輿を中心に 古谷創
【コラム】オスマン帝国の歴史と近世 佐々木紳
ヨーロッパ近世都市における「個人」の発展 高津秀之
【コラム】東アジア国際秩序の劇変─「日本の世紀」から「中国の世紀」へ 三谷博