基礎学から文芸・教養書までを刊行する総合出版社。
Publishing the books about Japanese literature, history and etc.

  • ホーム
  • お知らせ
  • ご利用案内
  • お問い合わせ
  • 会社案内
特集ページ
e-bookguide.jp

ジュウソウトレンカン

重層と連関

続 中国故事受容論考

山田尚子 著

定価 7,020円 (本体6,500円) 在庫あり

数量:

「規範」が生み出す文化史上のダイナミズムを探る

前近代日本において、中国は大いなる先例としてあった。政治や文化のさまざまな局面において、中国に関する知識は規範として参照され、現実を規定していった。
一方で「知」の内在化は、観念としての古典中国の世界を増幅させ、連想の糸を紡ぎ合わせ、織り重ねることで、故事と表現とを結びつける新たな体系を創り出していった。
「規範」としての中国文化を日本人は如何に読み替え、自己のものとして変容させていったのか。
平安期を中心に、公文書や詩歌、物語や学問注釈の諸相を精緻に読み解くことで、日本文化における思考の枠組みを明らかにする。

ISBN 978-4-585-29121-3 Cコード C3091
刊行年月 2016年3月 判型・製本 A5判・上製  272 頁
キーワード 中世, 中古, 交流史, 古代, 比較文学, 漢文

目次

序 章

第一部 辞表の故事と表現
第一章 周公旦の故事と摂政
 はじめに
 一 摂政制との齟齬
 二 成王の叔父として
 三 摂政の起源として
 四 復辟の故事として
 おわりに
第二章 『日本三代実録』貞観八年八月二十二日条所引藤原良房表について―故事の表現と作者
 はじめに
 一 貞観八年「良房表」の本文とその内容
 二 周公旦に関わる表現
 三 良房の摂政が抱える問題―先行研究による
 四 復辟の認識と周公旦
 五 周公旦への接近
 六 「良房表」の作者
 おわりに
第三章 辞表の「鶴」
 はじめに
 一 「鶴歎」の典拠
 二 「鶴望」・「鶴唳」
 三 帰る鶴
 四 「鶴眼」をめぐって
 おわりに

第二部 物語・詩歌の表現とその背景
第四章 「月宮」の周辺
 はじめに
 一 「月宮」と姮娥
 二 「月宮」と月宮殿
 三 「月宮」と「月の都」
 四 「月宮」と楊貴妃
 おわりに
第五章 「龍」の司馬相如
 はじめに
 一 昇仙橋の故事
 二 句題詩について
 三 「橋」の破題表現として
 四 「蜀龍」という表現
 五 「龍」の背景
 おわりに
第六章 中国故事と和歌─結題の本説の方法をめぐって
 はじめに
 一 題詠と句題詩
 二 故事で歌題をまわす─その1─
 三 故事で歌題をまわす─その2─
 四 〈枠〉という機能
 おわりに

第三部 故事の継承と再構築
第七章 楊貴妃譚の変容─延慶本平家物語「楊貴妃被失事」をめぐって
 はじめに
 一 説話内の位相差
 二 朗詠注との関わり
 三 相違の背景
 四 典拠の重層と〈中世史記〉
 おわりに
第八章 『和漢朗詠註抄』についての再検討
 はじめに
 一 『和漢朗詠註抄』をめぐる問題点
 二 「江注」および『江談抄』との関係について
 三 『私注』との関係について
 四 「文選注」について
 おわりに
第九章 朗詠注の成立と展開―『私注』欄上注への試みを兼ねて
 はじめに
 一 朗詠のためのアンソロジーとして
 二 句題詩製作の指南書として
 三 幼学書として
 四 『私注』の成立とその享受
 五 慶應義塾図書館蔵享祿五年写『倭漢朗詠集私注』欄上注をめぐって
 おわりに

終 章
 一 対偶表現をめぐって
 二 修辞と規範

あとがき
初出一覧

編著者プロフィール

山田尚子(やまだ・なおこ)
1967年生まれ。熊本県立大学文学部卒業。熊本大学大学院文学研究科修士課程修了。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、成城大学文芸学部准教授。
著書に『中国故事受容論考―古代中世日本における継承と展開』(勉誠出版、2009年)がある。