目次
はじめに 山本洋平
Ⅰ 場所と記憶のあいだ
【対談】この風景を感知する 小池昌代×中村邦生
【インタビュー】ことばの力 石牟礼道子(聞き手:野田研一)
「草の道」から「歴史の時間」へ―石牟礼道子の「亡所」探索 野田研一
翻訳と石牟礼道子―日本に於ける環境文学研究の回想と展望 ブルース・アレン(翻訳:相原優子)
【講演録】沖縄という場所から―私の文学 大城立裕
林京子論―即物的に語り続けた理由 小谷一明
Ⅱ 文化と言葉のあいだ
【鼎談】異文化の音、自然の音―音楽を〈異化〉する 細野晴臣×三上敏視×野田研一
ポピュラー・カルチャーにみる自然―人間のつながりの表象の変遷 中村優子
花札追憶―明治三五年帝国議会議事録を中心に 渡辺憲司
〈私〉をつくる教室―自然・メディア・書くこと 北川扶生子
繋ぐ―異文化、異言語、そして歴史 鳥飼玖美子
Ⅲ 自然と生きもののあいだ
【鼎談】山川草木鳥獣虫魚党宣言!―動物のいのち/植物のいのち 伊藤比呂美×管啓次郎(聞き手:山本洋平)
「超身体性」で読み解く伊藤比呂美の『河原荒草』―「二つの自然」を超えて 森田系太郎
本草学の世界―〈環境文学〉への道程 小峯和明
「俤」を「今」に「翻訳」するということ―国木田独歩の自然 佐藤有紀
深き自然への祭典―日野啓三論 河野哲也
言葉の〈かたち〉が語ること―梨木香歩の「反復」を読む 山田悠介
おわりに 野田研一
編著者プロフィール
野田研一(のだ・けんいち)
立教大学名誉教授。主な著書に『交感と表象―ネイチャーライティングとは何か』(松柏社、2003年)、『自然を感じるこころ―ネイチャーライティング入門』(筑摩書房、2007年)、『〈風景〉のアメリカ文化学[シリーズ・アメリカ文化を読む 2]』(編著、ミネルヴァ書房、2011年)、『異文化コミュニケーション学への招待』(共編・鳥飼玖美子他、みすず書房、2011年)、『失われるのは、ぼくらのほうだ―自然・沈黙・他者』(水声社、2016年)などがある。
山本洋平(やまもと・ようへい)
明治大学理工学部専任講師。立教大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。主な論文に、「剥製の欲望から諸自己の詩学へ―19世紀アメリカ文学における鳥の表象」(野田研一・奥野克巳[編著]『鳥と人間をめぐる思考―環境文学と人類学の対話』勉誠出版、2016年)、「明白ならざる運命―『ウォールデン』における動物表象」(日本ソロー学会編『ソローとアメリカ精神―米文学の源流を求めて』金星堂、2012年)などがある。
森田系太郎(もりた・けいたろう)
在野研究者。会議通訳者。修士(立教大学[異文化コミュニケーション学])、修士(モントレー国際大学院[翻訳・通訳])、博士(立教大学[社会デザイン学])。主な著書に、East Asian Ecocriticisms: A Critical Reader(共著、Palgrave Macmillan、2013年)、論文に、“Ecological Reflection Begets Ecological Identity Begets Ecological Reflexivity”(立教大学博士論文、2010年)、“Nature Writing Cultivates Ecological Identity: A Case Study of an Environmental NGO in Japan”(『文学と環境』第15号、2012年)などがある。