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ワタクシカラカンガエルブンガクシ

「私」から考える文学史

私小説という視座

井原あや・梅澤亜由美・大木志門・大原祐治・尾形大・小澤純・河野龍也・小林洋介 編

定価 7,776円 (本体7,200円) 予約商品

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2018/10/31

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日本近代文学の新たな枠組み

日本固有の文学ジャンルと考えられている「私小説」。
明確な定義がないなか、読者は一体なにを作者の「私」像として読み取っているのだろうか?
本書では、従来「私小説」とみなされてこなかった作品や周辺ジャンルである日記や紀行文、映画や漫画などを含めた文学史の構築を試みるとともに、作り手である現代作家の水村美苗氏、佐伯一麦氏、青木淳悟氏への 「私」をめぐるインタビューを収録。
明治以降の「私小説」を研究と創作の両面から再検討する。

ISBN 978-4-585-29170-1 Cコード C3095
刊行年月 2018年10月 判型・製本 A5判・上製  480 頁
キーワード 評論, 近現代

目次

〈私小説〉という視座 本書の方法と構成について  梅澤亜由美・大木志門
【インタビュー】私小説という「フィクション」  水村美苗

Ⅰ 明治期の「私」
田山花袋と徳田秋聲における〈「私」性〉と「文体」の生成  大木志門
「書く」女の生活と戦略 田村俊子「彼女の生活」とジャーナリズム  鬼頭七美
郡虎彦の初期作品における〈私〉の様相  太田 翼
変容する〈透谷〉 小田切秀雄の文学史把握とポジショナリティ  黒田俊太郎
【コラム】〈私〉の旅日記―坪内逍遙「旅ごろも」  富塚昌輝
【コラム】ルポルタージュと労働者手記  金子亜由美
【コラム】モデルの手記と小説―岡田(永代)美知代  井原あや
【コラム】帰朝者の文学―永井荷風  多田蔵人

Ⅱ 大正期の「私」
一九二〇年の〈「私」小說〉 白樺派から奇蹟派、そして宇野浩二へ  梅澤亜由美
告白の相手は誰か 佐藤春夫の〈詩〉と〈私小説〉  河野龍也
菊池寛〈啓吉もの〉と芥川龍之介〈保吉もの〉の間  小澤純
真摯な自己語りに介入する他者たちの声  田中祐介
【コラム】少女雑誌における「私語り」―『少女世界』を中心に  嵯峨景子
【コラム】看取り・介護  梅澤亜由美
【コラム】幻想の系譜―藤枝静男の「私小説」を中心に  大木志門
【コラム】関東大震災直後のルポルタージュと小説  小林洋介
【インタビュー】自画像としての私小説  佐伯一麦

Ⅲ 昭和初期の「私」
一九二〇年代後半の横光利一テクストにおける〈私小説性〉の諸要素
〈「私」性〉と〈事実性〉による享受のシステム  小林洋介
伊藤整における私小説の模索と転回 「得能もの」から自伝小説「北国」へ  尾形大
〈私〉を更新する 宮本百合子〈伸子〉連作について  竹田志保
個人的なことは政治的なこと 〈私性〉から見た転向文学  山根龍一
【コラム】文学の〈素人〉性―北條民雄と川端康成  尾形大
【コラム】戦争と私語り―原民喜の場合  大原祐治
【コラム】「文学」史のキャラ化―伊藤整から高橋源一郎へ  小澤純
【コラム】批評の原点―江藤淳における〈私〉  河野龍也

Ⅳ 戦前〜戦後の「私」
〈私〉を応用する 一九四〇年代前半の太宰治小説  井原あや
「私」と「歴史」のあいだ 坂口安吾と私小説  大原祐治
大岡昇平文学における〈私〉 短篇小説「妻」を中心に  立尾真士
安岡章太郎『私説聊斎志異』論 「私」の小説化  小嶋洋輔
【コラム】福島次郎『三島由紀夫―剣と寒紅』の提起するもの  太田翼
【コラム】「主観的」な「風景」をめぐって―塚本晋也版『野火』  立尾真士
【コラム】〈私〉をクロスジェンダーする―鷺沢萠の場合  康潤伊
【コラム】マンガ家になるマンガ―東村アキコ『かくかくしかじか』  小嶋洋輔
【インタビュー】「私」から遠く離れて  青木淳悟

見取り図
執筆者一覧
索引

編著者プロフィール

井原あや(いはら・あや)
大妻女子大学大学院文学研究科国文学専攻・博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、大妻女子大学ほか非常勤講師。
主な著書・論文に、『〈スキャンダラスな女〉を欲望する―文学・女性週刊誌・ジェンダー』(青弓社、2015年)、「復刊後の『若草』―新人小説と早船ちよ」(小平麻衣子編『文芸雑誌『若草』 私たちは文芸を愛好している』翰林書房、2018年)、「『女性自身』と源氏鶏太―〈ガール〉はいかにして働くか」(『国語と国文学』2017年5月)などがある。

梅澤亜由美(うめざわ・あゆみ)
法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻・博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大正大学文学部准教授。
主な著書に、『増補改訂 私小説の技法 「私」語りの百年史』(勉誠出版、2017年)、共編著に、秋山駿・勝又浩監修『私小説ハンドブック』(私小説研究会編、勉誠出版、2014年)、訳書に、安英姫著『韓国から見る日本の私小説』(鼎書房、2011年)などがある。

大木志門(おおき・しもん)
立教大学大学院文学研究科日本文学専攻・博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、山梨大学准教授。
主な著書に、『徳田秋聲の昭和―更新される「自然主義」』(立教大学出版会、2016年)、編著に『下萌ゆる草・オレンジエート 山田順子作品集』(龜鳴屋、2012年)、『二一世紀日本文学ガイドブック6 徳田秋聲』(ひつじ書房、2017年、共編)などがある。

大原祐治(おおはら・ゆうじ)
学習院大学大学院人文科学研究科修了、博士(日本語日本文学)。千葉大学文学部教授。
著書に『文学的記憶・一九四〇年前後 昭和期文学と戦争の記憶』(翰林書房、2006年)、編著書に『コレクション・モダン都市文化 第一〇〇巻 防空と空襲』(ゆまに書房、2014年)、『「月刊にひがた」複刻版別冊解題・総目次・執筆者索引』(三人社、2016年)、主な論文に「所有と欲望―「歴史小説」としての「桜の森の満開の下」」(「昭和文学研究」76、2018年)などがある。

尾形大(おがた・だい)
日本大学大学院文学研究科国文学専攻・博士後期課程単位修得満期退学。博士(文学)。現在、日本大学他・非常勤講師。
主な論文に、「伊藤整におけるプルーストの影響―「錯覚のある配列」から「アカシアの匂に就て」へ」(『日本文学』vol.61、2012年)、「『得能五郎の生活と意見』における「余談」的方法の水脈―ゴーゴリ・中野重治・伊藤整の系譜」(『昭和文学研究』第72集、2015年)、「翻訳家・伊藤整と一九三〇年代―第一書房版『ユリシイズ』翻訳を軸として」(『国語と国文学』第94巻第6号、2017年)などがある。

小澤純(おざわ・じゅん)
早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻・博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、慶應義塾志木高等学校教諭、恵泉女学園大学非常勤講師。
主な論文に、「「芋粥」の中のベルクソン―〈意志〉と〈欲望〉の相関」(『芥川龍之介研究』10号、2016年)、「戦時下の芥川論から太宰治『お伽草紙』に響く〈肯定〉―山岸外史・福田恆存・坂口安吾の「批評」を触媒にして」(『近代文学合同研究会論集』13号、2017年)、共著に『芥川龍之介ハンドブック』(庄司達也編、鼎書房、2015年)などがある。

河野龍也(こうの・たつや)
東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻日本語日本文学専門分野・博士課程満期退学。博士(文学)。現在、実践女子大学文学部教授。
主な論文に、「画家の眼をした詩人の肖像―佐藤春夫「田園の憂鬱」論」(『日本近代文学』第98集、2018年)、編著に、『大学生のための文学トレーニング 近代編・現代編』(共著、三省堂、2012・2014年)、『佐藤春夫読本』(辻本雄一監修、勉誠出版、2015年)などがある。

小林洋介(こばやし・ようすけ)
上智大学大学院文学研究科・博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、比治山大学講師(専任)。
主な著書に、『〈狂気〉と〈無意識〉のモダニズム―戦間期文学の一断面』(笠間書院、2013年)、論文に、「戦間期モダニズムとしての散文詩理論―雑誌『詩と詩論』とその周辺」(『国語と国文学』第94巻第5号、2017年)、「〈人格〉の異常と表現行為をめぐる物語―川端康成「或る詩風と画風」論」(『国語と国文学』第86巻第6号、2009年)、「「象徴」による無意識表出の試み―川端康成「水晶幻想」論」(『日本近代文学』第76集、2007年5月)など。