
3月11日に起こった東日本大震災から4ヶ月が経過しました。
地震と、それに伴って発生した津波は多くの人の命と生活を奪うとともに、有形無形をとわず、あらゆるものを破壊し尽くしました。
まずはこの震災からの一日もはやい復興が望まれますが、この経験をこれからに活かしていくために、いったいどのような取り組みが必要になるのでしょうか?
そのキーワードのひとつは「アーカイブ」そして「デジタル」だと思います。
この度刊行しました『デジタル文化資源の活用―地域の記憶とアーカイブ』は、美術品から個人的な記録までをふくむ広い意味での「文化」を整理・調査して「資源」化し、デジタル技術を使って有効に活用するにあたっての課題や問題点を、具体例を交えながら紹介しています。
第I部には、青柳正規先生(国立西洋美術館)、長尾真先生(国立国会図書館)、高山正也先生(国立公文書館)、すなわちM(useum)、L(ibrary)、A(rchives)の国立機関3館長による鼎談を収録しました(司会は吉見俊哉先生(東京大学大学院教授))。
震災からほぼ1ヶ月後に行われたこの鼎談は、「記憶のちから―何を残していくべきか」というテーマのもと、この震災からの復興にむけて、現代を生きるわれわれが後世に残していかなければならないものは何か、そのためにはいま何をしなければならないか、についての貴重な提言がまとめられています。
これからの政策がどのように展開されていくかを知る上でも、ぜひご覧いただきたい一冊です。
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関連書籍
他にもこんな書籍が出ています。
- 『つながる図書館・博物館・文書館』石川徹也ほか編、東京大学出版会
- 『アーカイブズが社会を変える』松岡資明、平凡社新書
- 『デジタルアーカイブ』笠羽晴夫、水曜社