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社寺建築を知るための用語集

日本の歴史的建築を考える
濵島正士 著/文化財建造物保存技術協会 編集協力
ISBN 978-4-585-35003-3 Cコード 0052
刊行年月 2025年6月 判型・製本 B5判・並製 204 頁
キーワード 文化財,建築,アーカイブズ,文化史,日本史

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

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書籍の詳細
各地に残された日本の木造建築の構造を理解するための絶好の入門書。

日本の社寺建築は一三〇〇年の歴史を持ち、各時代に建てられた様々な建造物が数多く残されている。
それらは建てられた時代や所在する地域の特徴を示しており、日本の歴史・文化を知るための重要な資料となっている。
しかし、これらの木造建築に関わる用語は、単にその数が極めて多いだけではなく、時代や建造物の種類によって名称・解釈が異なることもあり、研究者ですらとまどう場面も少なくない。
伝統的な木造建築の歴史研究および文化財建造物の保存修理を長年リードしてきた著者が、日本建築の歴史を考えるうえで重要な用語を豊富な図版資料と共に解説。

 

 

目次
カラー口絵
はじめに

第一章 仏堂
一 金堂、中堂、仏殿、大雄宝殿、本堂
二 母屋(身舎)と庇(廂)の構成
 史料にみる母屋・庇
 構造からみた母屋・庇
 母屋・庇の構造は中国にあるか

第二章 寺院の礼拝空間
一 双堂と細殿
  双堂
  細殿
二 礼堂・礼堂造と孫庇
 礼堂
 礼堂造
 孫庇
 仏堂の内陣と外陣
 神社の内陣・外陣

第三章 神社建築
一 本殿、神殿、宝殿、御殿、正殿
二 幣殿と拝殿・礼殿、長床
三 祝詞舎と祭文殿
四 舞殿と神楽殿
五 仮殿、権殿、移殿、頓宮
六 本殿形式の名称
七 複合社殿の形式と名称

第四章 屋根の基本形式
一 アヅマヤとマヤ
二 アヅマヤとマヤ 江戸時代の解釈
三 宝形造その他の形式
まとめ

第五章 門
一 二重門と楼門
二 八脚門・四脚門と棟門
三 薬医門と高麗門
四 冠木門と釘貫門
五 唐門
六 鳥居と門

第六章 塔
一 塔、塔婆、卒塔(都)婆、雁塔
二 浮図、制底、制多、支提、阿良良支
三 多重塔、檐塔、宝塔、多宝塔、毘盧遮(舎)那塔、瑜祇塔、頭塔
四 相輪、露盤、九輪・空輪、相輪橖
五 心柱・真柱・身柱・擦・刹、左義長柱
六 水輪柱

第七章 基礎・軸部
一 基礎、基壇、亀腹、地業
二 軸部
 イ 土台、礎盤
 ロ 柱
 ハ 頭貫、台輪、地覆
 ニ 貫(足固貫・内法貫・飛貫・腰貫・地貫)
 ホ 長押(冠木長押・切目長押・足元長押・地長押・内法長押・腰長押・天井長押・蟻壁長押・半長押・台輪長押)
 ヘ 筋違

第八章 組物
一 組物とは
二 形式と構成
三 様式による構成の違い
四 中備
五 組物に関する用語の意味と出典
六 組物における梁・桁の組み方
 イ 大斗上で虹梁と肘木を組む
 ロ 枠肘木上三斗で虹梁を支持する
 ハ その他の組み方
 ニ まとめ

第九章 軒、架構、天井
一 軒
 イ 軒の出
 ロ 茅負・木負・裏甲その他
 ハ 繁垂木と疎垂木
 ニ 隅扇垂木と扇垂木
 ホ 板軒
 ヘ その他の垂木
 ト 真隅と振れ隅、平行軒と捩れ軒
二 架構と天井
 イ 古代系仏堂
 ロ 禅宗様・大仏様の仏堂
 ハ 中世型密教系仏堂
  孫庇系仏堂の遺例
   禅宗様・大仏様の手法をもつ遺例
  外陣に柱を立てない遺例
  双堂系その他の遺例
  桁行梁をもつ遺例
 ニ 虹梁の細部手法
 ホ 天井の形式

第十章 小屋組と野地
一 和小屋の基本的手法 折置と京呂
 神明造
 大社造
 住吉造
二 小屋組の発達
 イ 野屋根の考案
 ロ 桔木による軒の補強
 ハ 役割を忘れた垂木
三 小屋組の形式
 イ 扠首組
  唐招提寺金堂
  堂山王子神社本殿
 ロ 二重梁式
  法隆寺大講堂(奈良、正暦元年)
  大報恩寺本堂(京都、安貞元年)
  太山寺本堂(兵庫、弘安八年)
 ハ 小屋束に貫を通して固める
  浄土寺本堂(広島、嘉暦二年)
  立石寺中堂(山形、室町前期)
  不動院本堂(奈良、文明十五年)
  木蓮寺本堂(岡山、明応元年)
 ニ 梁間全体に大梁を架ける
  室生寺本堂(奈良、延慶元年)
  正蓮寺大日堂(奈良、文明十年)
  寛永寺清水堂(東京、寛永八年)
  本遠寺本堂(山梨、慶安三年)
 ホ 重層建築の小屋組
  法隆寺金堂(奈良、七世紀末~八世紀初)
  平等院鳳凰堂中堂(京都、天喜元年)
  円教寺大講堂(兵庫、永享十二年)
  専修寺如来堂(三重、延享五年)
  妙心寺仏殿(京都、文政十年)
四 小屋組に関わる部材の名称

第十一章 妻飾
一 妻壁の架構
 イ 豕扠首
 ロ 虹梁上蟇股
 ハ 虹梁上大瓶束
 ニ 海老虹梁
 ホ その他
二 破風
三 懸魚

あとがき
発刊に寄せて 山岸常人(京都大学名誉教授)
索引(建築用語/建築名)
参考文献・図版出典修理工事報告書
プロフィール

濵島正士(はましま まさじ)
1936年生まれ。国立歴史民俗博物館名誉教授。専門は日本建築史。
主な著書に『日本の塔』(藤本四八写真、平凡社カラー新書、1980年)、『寺社建築の鑑賞基礎知識』(至文堂、1992年)『設計図が語る古建築の世界 もうひとつの「建築史」』(彰国社、1992年)、『日本仏塔集成』(中央公論美術出版、2001年)、『日本建築の独自性 古代・中世の社寺建築』(敬文舎、2015年)などがある。

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