オダノブナガトイウレキシ

織田信長という歴史

『信長記』の彼方へ
金子拓 著
ISBN 978-4-585-05420-7 Cコード 0021
刊行年月 2009年10月 判型・製本 四六判・上製 450 頁
キーワード 軍記,戦国時代

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

数量 :
remove add
書籍の詳細

信長の生涯はいかに記録され伝わったか―

信長の家臣太田牛一が著した『信長記』。
複数残る自筆本や写本の系統分類と比較検討をとおして、成立・伝来に関わった中世末から近世にかけての人びとの歴史に対する向きあいかたに迫る。

 

 

目次
はじめに

序章 『信長記』とは何か
一 歴史叙述としての『信長記』
『信長記』の史料的性格/『信長記』の信憑性/近代歴史学と『信長記』/「物語り文」と『信長記』
二 『信長記』研究の歴史

第一章 『信長記』の諸伝本と系統
『信長記』の完成形態/十五巻本の二系統/「首巻」の位置づけ/『信長記』関係の異本群/残闕本・抄写本・不明本

第二章 軍記作者太田牛一
一 信長以前・信長時代の牛一
太田牛一の人物像/牛一の生い立ち/「武衛臣下」としての牛一/信長家臣としての牛一/牛一の名乗り
二 秀吉時代の牛一
太田家系図のなかの牛一/太閤検地と牛一/朝鮮出兵と牛一/「太閤御代度々御進発の記」/秀頼付としての牛一
三 記録作者としての太田牛一
牛一の著作歴/牛一の死と彼の子孫/記録作者としての太田牛一/太田牛一の「軍記」

第三章 池田家本系『信長記』の諸本
一 自筆本池田家本
二 池田家本系の写本(一)―聖藩文庫本系
三 池田家本系の写本(二)―非聖藩文庫本系

第四章 『信長記』を求めた人びと
一 池田家と『信長記』
牛一著作の享受者たち/『信長記』が池田家に入った経緯/改装された池田家本 他

二 『信長記』の評判
小瀬甫庵と『甫庵信長記』/最初の『信長記』批評/大久保彦左衛門の『甫庵信長記』評/『信長記』への不満/『信長記』を求めて 他

第五章 建勲神社本系『信長記』の諸本
一 自筆本建勲神社本について
建勲神社本伝来に関する史料/芝村織田家に『信長記』が入るまで/「首巻」の位置づけ/建勲神社本に残る謎/その後の建勲神社本
二 建勲神社本系の写本について
建勲神社本の直系の写本/「首巻」と十五巻の問題 他

第六章 ふたつの太田家とその伝本
一 個人蔵本/二 太田家本/三 加賀太田家に伝来された本

第七章 『信長記』と織田家
一 織田長清と牛一自筆本の出会い
織田長清の『信長記』蒐集/牛一自筆本の代償
二 佐々宗淳と『信長記』
佐々宗淳と織田家/史臣佐々宗淳/佐々宗淳と織田長清/大和穴師坐兵主神社の復興/織田氏系譜と宗淳/織田長清と学問/牛一自筆本の奥書執筆/織田家と妙心寺・龍安寺/信長肖像画をめぐって/長清の師としての佐々宗淳
三 『織田真紀』と織田長清
『織田真紀』という書物/芝村織田家所蔵の『織田真紀』/『織田真紀』の出版過程/『織田真紀』回収騒動/『織田真紀』の刊行意義

終章 『信長記』の彼方へ
一 『信長記』の成立
素材から草稿へ/改稿の諸段階/併存する稿本/牛一著述の特徴/カードシステムについて/「首巻」について/書名について
二 『信長記』に関わった人びと
『信長記』という「歴史叙述」/牛一にとっての歴史/歴史と「生きているシステム」のはざま/織田家に取り戻された歴史/『信長記』から歴史へ

あとがき
書評・関連書等

「日経新聞」電子版(2011.3.4)〈アート&エンタ(歴史)〉コーナーにて紹介されました。 (詳細はこちら)
「岐阜新聞」(2009年12月27日)で紹介されました。
「史学雑誌」(119編7号)〈新刊紹介〉欄で紹介されました(評者:戸谷穂高)。

この商品をお求めのお客様はこんな商品もお求めです。

おすすめ

  [詳細]
古文書への招待

古文書への招待

日本古文書学会 編
定価:3,300円
(本体 3,000円)
紫式部伝

紫式部伝

上原作和 著
定価:5,940円
(本体 5,400円)
江戸時代の貸本屋

江戸時代の貸本屋

長友千代治 著
定価:5,500円
(本体 5,000円)
江戸時代前期出版年表〔万治元年~貞享五年〕

江戸時代前期出版年表〔万治元年~貞享五年〕

岡 雅彦 編
定価:35,200円
(本体 32,000円)
ショッピングカート