トンコウブッチョウソンショウダラニヘンソウズノケンキュウ

敦煌仏頂尊勝陀羅尼経変相図の研究

下野玲子 著
ISBN 978-4-585-21038-2 Cコード 3015
刊行年月 2017年2月 判型・製本 A5判・上製 380 頁
キーワード 美術,仏教,中国,東アジア

定価:15,400円
(本体 14,000円) ポイント:420pt

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書籍の詳細

東西交通の要衝・敦煌。インドから伝わった仏教もこの地を経て中原地域に流入した。
敦煌では石窟壁画など仏教美術が花開き、今に残されたそれらは仏教伝播の歴史を知る上で極めて貴重な資料ともなっている。
本書では唐代における敦煌の石窟壁画に焦点をあて、その中で漢訳された経典「仏頂尊勝陀羅尼経」の内容がどのように伝わり、変遷を経たのかについて、敦煌石窟壁画から取り出した170の画像を丹念に読み解いたものである。敦煌の経典をもとにした壁画についての研究はこれまで多くなされてきたが、仏頂尊勝陀羅尼経に関する研究は乏しく、貴重な研究成果となる。


*「仏頂尊勝陀羅尼経」とは…
密教経典。インドで成立し、中央~東アジアにおいて広く流布した。中国においては唐代の680年代以降、漢訳が進められた。
 七日後に死んで畜生悪道の身を七返受けるはずであった善住天子を救済するために、釈尊が「陀羅尼」を教示するという内容であり、そのために説かれた「仏頂尊勝陀羅尼」は地獄・畜生といった悪道から救われる利益があるとされ、悪病治癒の効能もあるとされる。

 

 

目次
緒 言

第一部 唐代敦煌仏頂尊勝陀羅尼経変相図とその所依経典
 第一章 莫高窟第二一七窟南壁の仏頂尊勝陀羅尼経変相図
 第二章 莫高窟における仏頂尊勝陀羅尼経変相図の展開
 第三章 莫高窟第二一七窟の供養者像と制作年代
 第四章 仏陀波利訳『仏頂尊勝陀羅尼経』の経序に関する問題
 第五章 唐代前期および奈良朝の仏頂尊勝陀羅尼
 第六章 刊本大蔵経における仏陀波利訳「仏頂尊勝陀羅尼」の変遷

第二部 敦煌法華経変相図の再検討
 第一章 莫高窟隋代第四二〇窟法華経変相図の再検討
 第二章 莫高窟唐代法華経変相図の再検討―第二三窟壁画の位置付け
 第三章 吐蕃支配期以降の敦煌法華経変に関する一考察

結 語

初出一覧
図版一覧
あとがき
索引
英文要旨
プロフィール

下野玲子(しもの・あきこ)
早稲田大学會津八一記念博物館主任研究員。早稲田大学文学部卒業。専門は美学・美術史。
主な著書・論文に『東大寺-美術史研究のあゆみ-』(共著、里文出版、2003年)、『薬師寺 千三百年の精華-美術史研究のあゆみ-』(里文出版、2000年)、「唐代仏頂尊勝陀羅尼経変における図像の異同と展開」(朝日敦煌研究員派遣制度記念誌、2008年)などがある。

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