アジア遊学192
シルクロードノライセカン

シルクロードの来世観

白須淨眞 編
ISBN 978-4-585-22658-1 Cコード 1322
刊行年月 2015年11月 判型・製本 A5判・並製 224 頁
キーワード 交流史,民俗学,宗教,東アジア,世界史

定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

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書籍の詳細

「生前中は、皆様より格別なご厚情、ご愛顧をいただき…」という遺族の挨拶に、違和感を持つ人はいない。
東アジア世界が、「現世」を「生前」と認識してきたのは、過去世、現世、来世の三世のうち、「来世」に対する尋常でない関心の強さが背景にあるからであろう。
そのような観念的虚構世界は、独自の固有性を保ちながらも、多くの共通点とともに、世界各域に数多く見出すことができる。
広大なユーラシアの大地を媒体とする巨大な交流総体「シルクロード」が持っている文化交流の蓄積のなかに浮かび上がる、ひとびとの来世観。

 

 

目次
[総論]
シルクロードの来世観 白須淨眞

[Ⅰ 来世観への敦煌学からのスケール]
シルクロードの敦煌資料が語る中国の来世観 荒見泰史

[Ⅱ 昇天という来世観]
シルクロード古墓壁画の大シンフォニー―四世紀後半期、トゥルファン地域の「来迎・昇天」壁画 白須淨眞

シルクロードの古墓の副葬品に見える「天に昇るための糸」―五~六世紀のトゥルファン古墓の副葬品リストにみえる「攀天糸万万九千丈」 門司尚之

シルクロードの古墓から出土した不思議な木函―四世紀後半期、トゥルファン地域の「昇天アイテム」とその容れ物 白須淨眞

[Ⅲ 現世の延長という来世観]
シルクロード・河西の古墓から出土した木板が語るあの世での結婚―魏晋期、甘粛省高台県古墓出土の「冥婚鎮墓文」 許飛

[Ⅳ 来世へのステイタス]
シルクロードの古墓から出土した偽物の「玉」―五~六世紀のトゥルファン古墓の副葬品リストに見える「玉豚」の現実 大田黒綾奈

[Ⅴ 死後審判があるという来世観]
十世紀敦煌文献に見る死後世界と死後審判―その特徴と流布の背景について 髙井龍
プロフィール

白須淨眞(しらす・じょうしん)
1949年生まれ。広島大学敦煌学プロジェクト研究センター研究員、 安楽寺住職。龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了、博士(文学)。
主な著書に、『忘れられた明治の探険家 渡辺哲信』(中央公論社、1996年)、『大谷探検隊とその時代』(勉誠出版、2002年)、『大谷探検隊研究の新たな地平ーアジア広域調査活動と外務省外交記録』(勉誠出版、2012年)、編著は『大谷光瑞と国際政治社会ーチベット、探検隊、辛亥革命』(勉誠出版、2011年)。最近の論考に、「前涼・張駿の行政改編と涼州・建康郡の設置」(高田時雄編『敦煌写本研究年報』8、京都大学人文科学研究所、2014年)がある。

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