ナガサキトウザイブンカコウショウシノステージ ジョウカン

長崎・東西文化交渉史の舞台 上巻

ポルトガル時代/オランダ時代
若木太一 編
ISBN 978-4-585-22058-9 Cコード 1020
刊行年月 2013年9月 判型・製本 A5判・上製 392 頁
キーワード 美術,文化史,交流史,宗教,日本語,東アジア,日本史,近世

定価:4,400円
(本体 4,000円) ポイント:120pt

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書籍の詳細
近世長崎から垣間見る新たな歴史像

西の果て、長崎。江戸より遠く離れたこの辺境の地に、徳川幕府は東西交流の舞台(ステージ)を設けた。その舞台を流れる時間は、ポルトガル時代、オランダ時代そして明・清交代期というもう一つの歴史年表で描かれるべき時空であった。

江戸と中国、朝鮮と琉球をつなぐ円の中心に位置し、東シナ海における当時の国際交流の中心地であった長崎という「場」に着目、人・モノ・文化の結節点において紡がれた歴史・文化の諸相を描き出す。

本冊では、ポルトガル・オランダとの交流にスポットを当て、長崎、そして日本の文化に大きな影響を与えたキリスト教や科学・医学など西欧の技術や思想の浸透・影響度を多角的に論じる。

 

 

目次
序 言

第一部 ポルトガル時代
教会のある町長崎 片岡千鶴子
日本のセミナリヨ・コレジヨにおける国際人教育 片岡瑠美子
南蛮系宇宙論の成立と展開 平岡隆二
【コラム】天正遣欧使節と千々石ミゲル―何故にミゲルは棄教したのか?― 大石一久
カクレキリシタンにおけるオラショの変容とその意義について 宮崎賢太郎
ヨーロッパの図書館・文書館の長崎関係キリシタン資料 川口敦子
【コラム】日本におけるキリシタン墓碑の様相 大石一久

第二部 オランダ時代
平戸オランダ商館の設置前後 久家孝史
儒医向井元升と西洋医学・薬学の受容について ヴォルフガング・ミヒェル
【コラム】出島商館長クライヤーによる日本植物研究 ヴォルフガング・ミヒェル
オランダ通詞富永仁兵衛とVOCの情報収集 イサべル・田中・ファンダーレン
長崎遊学者のその後―梅園・玄沢・江漢を中心に― 本馬貞夫
志筑忠雄訳「鎖国論」の流布と影響 大島明秀
長崎から発信された翻訳世界と近代への志向―アヘン戦争と清屈服後の十九世紀国際環境の中で― 岡田袈裟男
シーボルトの日本研究とその支援者としての美馬順三ならびに吉雄権之助 宮坂正英
【コラム】『慶賀魚図』とシーボルト・ビュルガーの日本魚類研究 平岡隆二
近代的な科学技術と医学の組織的導入―海軍伝習― 相川忠臣
【コラム】シーボルト事件と幕末の国学 吉良史明
プロフィール

若木太一(わかき・たいいち)
1942年生まれ。長崎大学名誉教授。専門は近世文学・長崎学。
編著に『長崎聖堂祭酒日記』(藪田貫と共編、関西大学東西学術研究所、2010年)、論文に「唐通事林道栄の生活と文事―雅俗訳通―」(『国語と教育』32号、2007年11月)、「長崎の儒学と国学」(『新長崎市史』第2巻近世編・第8章2節、長崎市、2012年)などがある。

書評・関連書等

「長崎新聞」(2013年12月22日)にて、本書の紹介文が、編者の若木太一氏のインタビューとともに大きく掲載されました。

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