コノホンヲカイタノハダレダ

この本を書いたのは誰だ?

統計で探る“文章の指紋”
村上征勝 著
ISBN 978-4-585-29198-5 Cコード 0095
刊行年月 2020年4月 判型・製本 B6判・並製 216 頁
キーワード 日本語,比較文学,古典

定価:1,980円
(本体 1,800円) ポイント:54pt

 品切 
書籍の詳細
文章のクセから、書き手を推定する―

「グリコ・森永事件」で多数の挑戦状・脅迫状を書いた「かい人21面相」は一人ではなく、二人いた。かい人21面相の挑戦状・脅迫状の文章を統計分析すると、こんなことが明らかになってくる。このような「書き手を特定できるような、文章の特徴(クセ)」が“文章の指紋”である。
シェイクスピアの作品や『聖書』、『源氏物語』など、書き手が疑わしい文章や真贋が疑われている文献は、洋の東西を問わず数多く存在する。
本書はこのような疑惑の文章に対して、“文章の指紋”をみつけるために行われてきた様々な方法を紹介し、また著者が携わった日本語を対象とする事例を解説する。

 

 

目次
はじめに
第1章 「かい人21面相」は二人いた―脅迫状を書いたのは誰か[犯罪事件篇]
第2章 ノーベル文学賞の盗作疑惑―小説の作者は誰か[文学作品篇]
第3章 愛国者の名を騙る者―国王を誹謗したのは誰か[政治・哲学篇]
第4章 神の言葉を伝える―聖書を書いたのは誰か[宗教篇]
第5章 “文章の指紋”は作り直せるのか
おわりに
参考文献

【コラム】これは何語?/中世の架空の詩人トマス・ロウリーの捏造/本居宣長にも筆の誤り―『源氏物語』「手枕」の巻/古文書に出現した後世の言葉/贋作収集が趣味(?)の著名な数学者/『源氏物語』の写本における表記の揺れ/文章分析の豊満な土壌:電子図書館「青空文庫」
プロフィール

村上征勝(むらかみ・まさかつ)
統計数理研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、元同志社大学文化情報学部長。工学博士。専門は計量文献学、統計学。
主な著書に、『文化情報学事典』(監修、勉誠出版、2019年)、『文化情報学入門』(共著、勉誠出版、2006年)、『計量文献学の射程』(共著、勉誠出版、2016年)、『源氏物語語彙用例総索引 自立語篇/付属語篇』(共編、勉誠出版、1994年、1996年)、『紫式部日記語彙用例総索引』(共編、勉誠出版、1997年)、『シェークスピアは誰ですか?―計量文献学の世界』(文春新書、2004年)、『文化を計る―文化計量学序説』(朝倉書店、2002年)、『真贋の科学―計量文献学入門』(朝倉書店、1994年)、『工業統計学』(朝倉書店、1985年)などがある。

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