アジア遊学270
ニホンチュウセイノカゼイセイド

日本中世の課税制度

段銭の成立と展開
志賀節子・三枝暁子 編
ISBN 978-4-585-32516-1 Cコード 1321
刊行年月 2022年5月 判型・製本 A5判・並製 224 頁
キーワード 日本史,戦国時代,室町,鎌倉,平安,中世

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
日本中世の「公共事業」を支えた税制を探る

段銭(反銭)は、田一反毎に一定額の銭を一律に賦課した中世特有の税制である。
朝廷・幕府の行う国家的行事や、寺社の造営・修造などを名目として臨時に賦課徴収された。
その実態は時期により変容しており、室町幕府をはじめ守護や寺社など、様々な賦課主体が、どのように段銭を徴収していたのかについては、これまで十分には検討されていない。
国家中枢から在地社会に至るまでの諸階層が、深く関与していた段銭徴収の実態を探ることで、日本中世の収取構造、さらには税制を通じた支配秩序の形成過程を明らかにする。

 

 

目次
序章
論集の刊行意図と本書の構成 志賀節子
段銭研究の現状と課題 高木純一

Ⅰ  室町幕府段銭収取制度の成立と展開
平安・鎌倉期の段米・段銭―一国平均役との関係を中心に 永松圭子
足利義満政権下での官庁段銭について 辰田芳雄 
康正二年造内裏段銭の収納機関―国立国会図書館本「造内裏段銭并国役引付」の検討から 永山愛
室町幕府将軍直臣編成の展開と京済・守護不入特権 松井直人
室町期京都における地口銭賦課体制の成立過程 長崎健吾 

Ⅱ 荘園領主段銭の諸様相
戦国期北野社の領主段銭 三枝暁子
戦国期賀茂別雷神社の収取制度と段銭 志賀節子
[史料紹介]戦国時代の調符・段銭請取状の料紙 石川美咲

Ⅲ 守護・戦国大名段銭の変容過程
天文七年の山城下郡段銭と三好政長 馬部隆弘
十五世紀後半における備後守護山名氏の段銭収取と国人 伊藤大貴
戦国大名毛利氏による備中一宮社領への段銭賦課 吉永隆記
大内氏分国における段銭収取システムと知行制 川岡勉

終章 
段銭研究の可能性―成果と課題 三枝暁子
プロフィール

志賀節子(しが・せつこ)
賀茂別雷神社史料編纂会委員。専門は日本中世史。
主な著書・論文に『中世荘園制社会の地域構造』(校倉書房、2017年)、「賀茂別雷神社境内六郷における収取制度と本役正税」(東京大学史料編纂所研究成果報告2020‐3『賀茂別雷神社の所領と氏人』、2021年)などがある。

三枝暁子(みえだ・あきこ)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は日本中世都市史・身分制論。
主な著書に『比叡山と室町幕府―寺社と武家の京都支配』(東京大学出版会、2011年)、『京都 天神をまつる人びと―ずいきみこしと西之京』(写真 西村豊)(岩波書店、2014年)、「十五世紀における北野社領西京と西京神人」(永村眞編『中世寺院の仏法と社会』勉誠出版、2021年)などがある。

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