ニッソセンソウシノケンキュウ

日ソ戦争史の研究
Studies on the History of the Soviet-Japanese War

日ソ戦争史研究会 編
ISBN 978-4-585-32026-5 Cコード 3020
刊行年月 2023年2月 判型・製本 A5判・上製 512 頁
キーワード 戦争,世界史,日本史,昭和,近代

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
日本帝国の崩壊過程におけるソ連要因を実証的に明らかにする新視点

第二次世界大戦末期の1945年8月、日本とソ連との戦争は勃発した。
日ソ戦は短期間のものではあったが、戦後の東アジア国際関係に大きな影響を及ぼした。シベリア抑留や北方領土問題など戦後処理が長期にわたり、戦後日本史を考えるうえでも重要な構成要素となっている。
それにもかかわらず、日ソ戦争は、日本の歴史学界においてこれまでほとんど注目されておらず、日本近現代史の通史のなかでもふれるものは少なかった。
本書では、日本史、ロシア史、中国史、モンゴル史、現代政治におよぶ多面的考察により、日ソ戦争史の全体像、そして、北東アジア規模のグローバル・ヒストリーとしての日ソ戦争の位置づけを明らかにし、今後の現代史研究の礎を提供する。

 

 

目次
はじめに  白木沢旭児

第1部 日ソ戦争の全体像
第1章 日ソ戦争・抑留はどう研究されてきたか―回顧と展望 富田武
第2章 日ソ戦争概観 花田智之
第3章 アリューシャン・千島列島をめぐる第二次大戦期の日米露関係 浅野豊美
第4章 外交課題としての日本人抑留・引揚問題―日本国内の「圧力団体」の作用と北方領土問題との連動 湯浅剛

第2部 中国・朝鮮
第1章 日ソ戦争期の中国東北地域の鉄道輸送  三木理史
第2章 ソ連軍進攻前後の中国東北地域―賓県を事例に  小都晶子
第3章 満洲における関東軍と兵士     白木沢旭児
第4章 日ソ戦争と満洲国軍―江防艦隊・江上軍とアムール小艦隊の角逐 及川琢英
第5章 ソ連軍の満洲進攻と関東軍の解体―残留日本人保護をめぐって 加藤聖文
第6章 日ソ戦争と朝鮮北部日本人社会 内藤隆夫

第3部 極東ロシア・モンゴル
第1章 1930年代ソ連極東部の国境管理体制と強制移住    兎内勇津流
第2章 アメリカの対日戦争とソ連―米軍パイロット問題をめぐって ヤロスラヴ・シュラトフ
第3章 女性たちのシベリア抑留    生田美智子
第4章 蒙疆における日ソ戦―張家口・丸一陣地をめぐる駐蒙軍とソ連モンゴル連合軍 田淵陽子
第5章 モンゴルにおける日本人抑留とその後 荒井幸康

第4部 樺太・千島
第1章 日ソ戦争樺太戦―八方山=ハラミトーギのソ連兵 天野尚樹
第2章 樺太国民義勇戦闘隊―国民皆兵の歪みとその余波 井澗裕
第3章 ソ連による占領統治下の千島社会  黒岩幸子
第4章 戦後初期の日本における満洲引揚者像と樺太住民の引揚 ジョナサン・ブル(白木沢旭児・兎内勇津流 訳)
第5章 日ソ戦後のサハリン残留日本人問題―ソ連地域未帰還者問題の中の樺太旧住民 中山大将

あとがき 富田武
執筆者紹介
索引
プロフィール

白木沢旭児(しらきざわ・あさひこ)(編集代表)
北海道大学大学院文学研究院教授。専門は日本近現代史。
著書に『大恐慌期日本の通商問題』(御茶の水書房、1999年)、『日中戦争と大陸経済建設』(吉川弘文館、2016年)、『北東アジアにおける帝国と地域社会』(編著、北海道大学出版会、2017年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「朝雲」(2023年7月20日、8面)にて紹介されました。

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