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日本史上、前近代と近代をともに経験した稀有な時代、幕末明治期。明治はそれ以前の日本をどのように背負い、切り捨て、読み換えていったのか。忠臣・皇国のイメージ、出版文化とメディア、国家形成と言語・思想。3つの柱より移行期における接続と断絶の諸相を明らかにし、ステレオタイプな歴史観にゆさぶりをかける画期的論集。
前田雅之(まえだ・まさゆき)1954年生まれ。明星大学人文学部教授。専門は古典学。著書に『古典論考―日本という視座』(新典社、2014年)、『アイロニカルな共感―近代・古典・ナショナリズム』(ひつじ書房、2015年)、『もう一つの古典知―前近代日本の知の可能性』(勉誠出版、2012年)、『高校生からの古典読本』(共編、平凡社ライブラリー、2012年)、論文に「顕と密―日本中世の基軸」(『国語と国文学』2015年)などがある。青山英正(あおやま・ひでまさ)1972年生まれ。明星大学准教授。専門は十九世紀の日本文学(特に詩歌)および文化。主な論文に「シーボルトによる天地開闢神話の創出―『日本』の成立過程と書籍コレクションの利用」(人間文化研究機構国文学研究資料館編『シーボルト日本書籍コレクション―現存書目録と研究』勉誠出版、2014年)、「与謝野晶子の星の歌―『みだれ髪』と土井晩翠」(鈴木健一編『天空の文学史 太陽・月・星』三弥井書店、2014年)、「古典知としての近世観相学―この不思議なる身体の解釈学」(前田雅之編『アジア遊学155 もう一つの古典知』勉誠出版、2012年)などがある。上原麻有子(うえはら・まゆこ)1965年生まれ。京都大学大学院文学研究科教授。専門は近代日本哲学であるが、身体としての顔および女性哲学にも関心を向けている。論文に“Naming and Contingency in Kuki Shūzō: From Philosophy to Literary Theory”(Frontiers of Japanese Philosophy 6– Confluences & Cross-Currents, Nanzan Institute for Religion & Culture, 2009)、「田辺元の象徴と哲学―ヴァレリーの詩学を超えて」(『日本の哲学 第15号―特集フランス哲学と日本の哲学』昭和堂、2014年)、「西周の哲学―翻訳的探究を経て新たな知の創造へ」(『思想間の対話 東アジアにおける哲学の受容と展開』法政大学出版局、2015年)などがある。