アジア遊学211
ネゴロデラトエンギョウボンヘイケモノガタリ

根来寺と延慶本『平家物語』

紀州地域の寺院空間と書物・言説
大橋直義 編
ISBN 978-4-585-22677-2 Cコード 1395
刊行年月 2017年7月 判型・製本 A5判・並製 248 頁
キーワード 仏教,古典,日本史,鎌倉,中世

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

覚鑁(かくばん)上人によって、大伝法院領荘園である弘田荘(和歌山県岩出市)に開かれ、頼瑜(らいゆ)が大伝法院の堂塔を移したことにより、新義真言宗の拠点として成立した根来寺。そこは単に「古刹」とするにとどまらない、多様な意義を有した寺院空間であった。
この根来寺において著述・編纂された延慶本『平家物語』と紀州地域との関わり、その書物としての成り立ちを再検討し、延慶本という書物が存在した場のありかた、延慶本が持つ説話論的な多様性を明らかにする。

 

 

目次
【イントロダクション】
紀州地域学というパースぺクティヴ―根来と延慶本、平維盛粉河寺巡礼記事について 大橋直義

【総論】
延慶本『平家物語』と紀州地域 佐伯真一

【書物としての延慶本『平家物語』と聖教】
延慶本平家物語の書誌学的検討 佐々木孝浩
延慶本『平家物語』周辺の書承ネットワーク―智積院聖教を手懸かりとして 宇都宮啓吾
延慶本『平家物語』の用字に関する覚書 杉山和也

【根来寺の歴史・教学・文学とネットワーク】
「束草集」と根来寺 永村眞
高野山大伝法院と根来寺 苫米地誠一
延慶書写時の延慶本『平家物語』へ至る一過程―実賢・実融:一つの相承血脈をめぐって 牧野和夫
頼瑜と如意宝珠 藤巻和宏
寺院経蔵調査にみる増吽研究の可能性―安住院・覚城院 中山一麿

【延慶本『平家物語』の説話論的環境】
十三世紀末の紀州地域と「伝承」―延慶本『平家物語』・湯浅氏・無本覚心 久保勇
崇徳関連話群の再検討―延慶本『平家物語』の編集意図 阿部亮太
称名寺所蔵『対馬記』解題と翻刻―延慶本『平家物語』との僅かな相関 鶴巻由美

【延慶本『平家物語』・紀州地域・修験】
延慶本『平家物語』と熊野の修験―根来における書写を念頭に 源健一郎
承久の乱後の熊野三山検校と熊野御幸 川崎剛志
紀州と修験―縁起から神楽へ 鈴木正崇
プロフィール

大橋直義(おおはし・なおよし)
和歌山大学准教授。専門は中世日本文学・文献学。
著書、論文に『転形期の歴史叙述―縁起 巡礼、その空間と物語』(慶應義塾大学出版会、2010年)、「巡礼記と縁起集―寺院空間の「歴史学」」(徳田和夫編『中世の寺社縁起と参詣』竹林舎、2013年)、『中世寺社の空間・テクスト・技芸―「寺社圏」のパースペクティヴ』(共編、アジア遊学174、2014年)などがある。

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