アジア遊学230
セカイイサンバリノブンカセンリャク

世界遺産バリの文化戦略

水稲文化と儀礼がつくる地域社会
海老澤衷 編
ISBN 978-4-585-22696-3 Cコード 1339
刊行年月 2019年3月 判型・製本 A5判・並製 272 頁
キーワード 文化史,民俗学,東アジア,世界史

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

バリ島のスバック(水利組織)は、2012年に世界遺産に登録された。火山・水系を背景として棚田を生み出した自然と村落が重要文化的景観として認定されたのである。
この文化遺産はいかにして形成され、人や自然と結びついてきたのか。東アジアの水利とはどのような違いがあるのか。
村落共同体の組織性と生産性、国家や宗教との関係、独特な舞踊・音楽・絵画が生み出される芸術的基盤の特質に迫り、その歴史的・文化的意義を歴史学・文化人類学・脳生理学・心理学など多角的な視点から明らかにする。

 

 

目次
まえがき

Ⅰ バリ島研究とそのイメージ形成
「バリ島」イメージの形成と日本 海老澤衷
クリフォード・ギアーツの人類学とその後の人類学的研究 西村正雄
スバック・グデ・スウェチャプラと王朝の伝統 三浦恵子

Ⅱ バサンアラス村の調査から
スバック・バサンアラスの形態的特質と東アジアの水利社会 海老澤衷
バサンアラス村における神聖と不浄の生活空間 三浦恵子
バサンアラス村の奉納舞踊ルジャン 河合徳枝

Ⅲ バリ島の世界遺産と農業
バリ州の文化的景観―世界遺産登録の過程と地元農民の期待と課題 三浦恵子、イ・マデ・サルジャナ
コメと倉―バリ島稲作社会の民族考古学調査 細谷葵
バリ島の在来イネ 菊地有希子

Ⅳ バリ島の伝統文化から学ぶ
報酬脳主導による持続型社会モデル―バリ島慣習村の事例 河合徳枝
バリ島の伝統継承にみる子どもの活性構築―生物学的文化人類学の視点から 八木玲子

あとがき
プロフィール

海老澤衷(えびさわ・ただし)
早稲田大学文学学術院教授。専門は日本中世史・東アジア水稲文化史。
主な著書・論文に『荘園公領制と中世村落』(校倉書房、2000年)、「荘園から城下町へ―継承されるハザードへの対応と流通、文化」(海老澤衷編『中世荘園村落の環境歴史学―東大寺領美濃国大井荘の研究』(吉川弘文館、2018年)などがある。

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