アジア遊学235
ナノハナトニンゲンノブンカシ

菜の花と人間の文化史

アブラナ科植物の栽培・利用と食文化
武田和哉・渡辺正夫 編
ISBN 978-4-585-22701-4 Cコード 1345
刊行年月 2019年7月 判型・製本 A5判・並製 240 頁
キーワード 文化史,アジア,世界史,日本史

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

アブラナ科植物は、アジアの米主食文化の中では重要な副食食材である。
ハクサイ・カブ、ダイコン、キャベツ・ブロッコリー、カラシナ、ワサビ等が該当し、これらは大変なじみ深い存在である。
また、日本では歴史的に見て、搾油用の作物として重視されていた時期があり、さらに近年の低炭素社会実現に向けて環境意識の高まりの中で再評価されつつある。
こうしたアブラナ科植物の品種や生殖上の特質、ならびに伝播・栽培や食文化、社会との接点等に関する諸問題について、農学系と人文学系の研究者がそれぞれの専門研究視点から意欲的に取り組んだ学融合的研究成果。

 

 

目次
カラー口絵

総論
アブラナ科植物の現在―今、なぜアブラナ科植物なのか― 武田和哉・渡辺正夫

Ⅰ アブラナ科植物とはなにか
アブラナ科植物と人間文化―日本社会を中心に 武田和哉
アブラナ科植物について 渡辺 正夫
植物の生殖の仕組みとアブラナ科植物の自家不和合性 渡辺正夫
コラム1 バイオインフォマティクスとはなにか 矢野健太郎 

Ⅱ アジアにおけるアブラナ科作物と人間社会
アブラナ科栽培植物の伝播と呼称 等々力政彦
中国におけるアブラナ科植物の栽培とその歴史 江川式部
パーリ仏典にみられるカラシナの諸相 清水洋平
アブラナ科作物とイネとの出会い 佐藤雅志
コラム2 栽培と食文化がつなぐ東アジア 鳥山欽哉
コラム3 植えて・収穫して・食べる―中国史の中のアブラナ科植物― 江川式部

Ⅲ 日本におけるアブラナ科作物と人間社会
日本国内遺跡出土資料からみたアブラナ科植物栽培の痕跡 武田和哉
日本古代のアブラナ科植物 吉川真司
日本中世におけるアブラナ科作物と仏教文化 横内裕人
最新の育種学研究から見たアブラナ科植物の諸相―江戸時代のアブラナ科野菜の品種改良― 鳥山欽哉
コラム4 奈良・平安時代のワサビとカラシ 吉川真司
コラム5 ノザワナの誕生 等々力政彦
コラム6 近世から現代に至るまでの日本社会におけるナタネ作付と製油業の展開の諸相 武田和哉

Ⅳ アブラナ科作物と人間社会の現状と将来展望  
学校教育現場での取り組み―今、なぜ、植物を用いたアウトリーチ活動が重要なのか― 渡辺正夫
植物文化学の先学者たちの足跡と今後の展望―領域融合型研究の課題点と可能性― 武田和哉 
コラム7 アブラナ科植物遺伝資源に関わる海外学術調査研究―名古屋議定書の発効で遺伝資源の海外学術調査研究は何が変わるか― 佐藤雅志

編集後記
プロフィール

武田和哉(たけだ・かずや)
大谷大学文学部教授。専門は人文情報学・考古学・歴史学。
主な著書に『草原の王朝契丹国(遼朝)の歴史と文化』(単編、共著、勉誠出版、2006年)、『北東アジアの歴史と文化』(菊池俊彦編、共著、北海道大学出版会、2010年)、『金・女真の歴史とユーラシア東方』(共編、共著、勉誠出版、2019年)などがある。

渡辺正夫(わたなべ・まさお)
東北大学大学院生命科学研究科教授 専門は植物分子育種学・植物生殖遺伝学。
主な著書に『プラントミメティクス―植物に学ぶ』(甲斐昌一・森川弘道編、共著、エヌ・ティー・エス出版、2006年)、『温度と生命システムの相関学』(岩手大学21世紀COEプログラム事業編、共著、東海大学出版、2009年)、『農学・生命学のための学術情報リテラシー』(齋藤忠夫編、共著、浅倉書店、2011年)などがある。

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