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学術(学問・芸術・技術)は、文化のみならず、その時代の社会、支配のあり方を規定する力を持つ。その動向・内実を知ることは、それぞれの時代・地域の歴史の本質に迫るための重要な視点である。なぜ、東アジア地域のみが長らく中国文化を共有し続けたのか、中国文化を共有することにどのような歴史的意義があったのか。中国大陸に淵源をもつ学術が周辺諸地域に広がり、根付いていった諸相をたどり、東アジア文化圏の形成・展開の実態を明らかにする。
榎本淳一(えのもと・じゅんいち)大正大学文学部歴史学科教授。主な著書に『日唐賤人制度の比較研究』(同成社、2019年)、『律令国家の理想と現実』(共著、竹林舎、2018年)などがある。吉永匡史(よしなが・まさふみ)金沢大学人間社会研究域准教授。専門は古代史。主な著書に『律令国家の軍事構造』(同成社、2016年)などがある。河内春人(こうち・はるひと)関東学院大学経済学部准教授。専門は日本古代史。主な著書に『東アジア交流史のなかの遣唐使』(汲古書院、2013年)、『日本古代君主号の研究』(八木書店、2015年)、『倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア』(中公新書、2018年)などがある。
★書評・紹介★「史学雑誌」第129編第12号(2021年01月21日)「新刊紹介」欄にて紹介されました。(→紹介者:高田宗平氏)