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臨終や葬儀、鎮魂など儀礼の展開は、各時代、各地域において多様な様相をみせ、それらはアジア全体で共通する要素も多い。儒教・仏教・道教は、盛んに死の意味づけ、儀式内容の意義を説き、社会のなかに儀礼を定着させ、祭祀の対象としての絵画・仏像などの造形物、往生伝のような説話も広まっていった。人々は「死」をどうとらえ、どのような文化を創り出したのか。アジアにおける死と鎮魂についての文化を歴史学・思想史の立場から考察する。
原田正俊(はらだ・まさとし) 関西大学文学部教授。専門は日本中世史・仏教史。主な著書・編著に、『日本中世の禅宗と社会』(吉川弘文館、1998年)、『日本古代中世の仏教と東アジア』(編著、関西大学出版部、2014年)、『仏教がつなぐアジア―王権・信仰・美術』(共編著、勉誠出版、2014年)などがある。