アジア遊学264
トシカラヒモトクニシアジア

都市からひもとく西アジア

歴史・社会・文化
守川知子 編
ISBN 978-4-585-32510-9 Cコード 1322
刊行年月 2021年12月 判型・製本 A5判・並製 272 頁
キーワード アジア,世界史

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
人の営みが映し出す歴史像

西アジアは古くから都市文明や都市国家の栄えた地域である。この地につくられた都市は、市壁を備え、その内側に宗教施設や市場、居住区、城塞や宮殿を築くという特徴をもつ。各都市は、周辺の農村や街道など複数のネットワークのなかに位置し、地域社会のかなめとして機能した。遠距離交易の拠点でもある都市には、イスラーム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒のほか、旅人や商人など多様な人々が暮らしていた。
東はアフガニスタンから西はエジプトまで、学術都市、商業都市、観光都市、軍営都市、要塞都市、港湾都市など、様々な顔をもつ7~19世紀の西アジアの歴史都市に焦点をあてる。文献史料・絵図・地図の読み解きから都市社会を多角的に検証し、今に受け継がれるその歴史と文化を探る。
都市社会の多様性を描き出し、新たな歴史像を提示する。

 

 

目次
まえがき―『都市からひもとく西アジア』に寄せて 守川知子

Ⅰ 都市をつくる―建設・形成と発展
ムスリムがはじめて建設した都市バスラ―軍営都市から経済と学術の都市へ 亀谷学
「二つの春の母」モスルの一二・一三世紀―ザンギー朝下の建設と破壊 柳谷あゆみ
スルタンとシャーの新たなギャンジャ 塩野﨑信也
[コラム・港市①]港市マスカトとポルトガル人―絵図に見る一六―一七世紀の植民都市 大矢純

Ⅱ 都市に生きる―人びとと都市社会
アレッポが「シーア派の街」であった頃 谷口淳一
ティムール朝期のヘラートにおける聖者たち 杉山雅樹
境界上の都市アインターブ―「良き泉」の町 中町信孝
[コラム・港市②]船乗りたちが集う町アデン 栗山保之

Ⅲ 都市を活かす―政治的・経済的機能
フランク人支配下の都市エルサレム―観光産業都市への発展 櫻井康人
山城から平城へ―近世クルディスタンにおける都市機能の変容 山口昭彦
スンナ派学の牙城ブハラ 木村暁
[コラム・港市③]「民族の交差点」ハイファ―近代東地中海の国際港湾都市 田中雅人

Ⅳ 大都市を彩る―三都物語
イスファハーンは世界の半分? 守川知子
ナポレオン地図から読み解くカイロ―マイノリティに注目して 深見奈緒子
ノスタルジックな近代―一九世紀イスタンブルの都市空間と都市行政 川本智史
プロフィール

守川知子(もりかわ・ともこ)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は西アジア史。
主な著書に『シーア派聖地参詣の研究』(京都大学学術出版会、2007年)、編著に『移動と交流の近世アジア史』(北海道大学出版会、2016年)などがある。

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