メイジ・タイショウ・ショウワノジダイゲキメディアトジダイコウショウ

明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証

大石学・時代考証学会 編
ISBN 978-4-585-32025-8 Cコード 0021
刊行年月 2023年2月 判型・製本 A5判・並製 416 頁
キーワード 戦争,文化史,日本史,昭和,大正,明治,近現代,近代

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

多くの記録が残され、我々の身近な人々が生きていた明治・大正・昭和。
現在に近い時代を考証する困難性はどこにあるのか。
そして、史実に沿うノンフィクションにおいても時代考証が求められるのはなぜか。
近現代史とノンフィクションにおける考証実務や作品の考察から、虚構と現実の間を埋めるという重要な役割を持つ「時代考証」がもつ可能性の広がりを考える。

 

 

目次
巻頭言 近現代時代劇・時代考証の歴史的前提―リアリズムの視点から◉大石学
序 論 時代考証にとって現実とはなにか◉鈴木一史

第1部 明治・大正・昭和を考証する
1 近現代を描いた時代劇メディアと歴史学◉花岡敬太郎
2 NHKドラマ『負けて、勝つ~戦後を創った男・吉田茂~』―『白洲次郎』などを考証して◉小田部雄次
3 時代考証はアイデアの宝庫―近現代ドラマ制作現場からの報告◉安達もじり
シンポジウム「明治・大正・昭和を考証する―時代考証の現場から」
 趣旨説明◉鈴木一史
 パネルディスカッション◉花岡敬太郎/小田部雄次/安達もじり/司会◉門松秀樹

第2部 ノンフィクションを考証する
1 歴史教養番組の構造と変遷◉神谷大介
2 シナリオ論証を通じて◉落合弘樹
3 歴史番組の”歴史”―制作者の視点から◉谷口雅一
シンポジウム「時代考証学とノンフィクション」
 趣旨説明◉神谷大介
 パネルディスカッション◉神谷大介/落合弘樹/谷口雅一/司会◉鈴木一史

コラム:記憶をめぐる時代考証―時代考証学会第七回シンポジウムのアンケート回答から◉神谷大介
コラム:ノンフィクション・歴史教養番組はどのような時代劇メディアか―時代考証学会第八回シンポジウムのアンケート回答から◉中野良

第3部 考証の枠を拡げる
1 時代劇の枠を拡げる―近現代を描いた時代劇メディア◉三野行徳
2 近代を考証する―「足尾から来た女」での経験から◉石居人也
3 戦争を考証する◉加藤聖文
4 戦争を描いた時代劇メディアと歴史学―『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証◉山田朗
5 「西郷どん」の軍装・洋装考証◉刑部芳則
6 ビデオ機器、時間、世界観―NHK大河ドラマ『花神』(一九七七年)と地域性◉羽鳥隆英

あとがき◉時代考証学会編集担当 鈴木一史・神谷大介
プロフィール

大石学(おおいし・まなぶ)
1953年生まれ
東京学芸大学名誉教授、日本芸術文化振興会監事、時代考証学会会長。
〔業績〕NHK大河ドラマ『新選組!』(2004年)、『篤姫』(2008年)、『龍馬伝』(2010年)、『八重の桜』(2013年)、『花燃ゆ』(2015年)、『西郷どん』(2018年)、NHK金曜時代劇『御宿かわせみ』(2003~05年)、『蝉しぐれ』(2004年)、『慶次郎縁側日記』(2004~06年)、NHK木曜時代劇・土曜時代劇『陽炎の辻』(2007~09年)、NHK-BSプレミアムBS時代劇『薄桜記』(2012年)、映画『大奥』(2010年)、『るろうに剣心』(2012年)、『沈黙』(2017年)、NHKドラマ10「大奥」(NHK、2023年)、オリジナルアニメ「REVENGER」(リベンジャー)(松竹・亜細亜堂・ニトロプラス、2023年)、映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』(東映、2023年)など数多くの作品において時代考証を担当。
〔著作等〕『吉宗と享保の改革』(東京堂出版、1995年)、『享保改革と地域政策』(吉川弘文館、1996年)、『江戸の外交戦略』(角川学芸出版、2009年)、『徳川吉宗』(山川出版社、2012年)、『近世日本の統治と改革』(吉川弘文館、2013年)、『時代劇の見方・楽しみ方―時代考証とリアリズム』(吉川弘文館、2013年)、『新しい江戸時代が見えてくる―「平和」と「文明化」の265年』(吉川弘文館、2014年)、『今に息づく江戸時代―首都・官僚・教育』(吉川弘文館、2021年)など多数。

時代考証学会
2009年創設。会長は大石学(東京学芸大学名誉教授)。
時代劇メディアと地域の歴史との関係性を探り、所作、美術、建築など様々な専門領域が考証、指導、監修を通して、社会の復元を行っていることなどを解明。
編著書(いずれも大石学・時代考証学会編)に『時代考証学ことはじめ』(東京堂出版、2010年)、『時代劇制作現場と時代考証』(岩田書院、2013年)、『時代劇文化の発信地・京都』(サンライズ出版、2014年)、『戦国時代劇メディアの見方・つくり方』(勉誠出版、2021年)などがある。

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