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日明関係史研究入門

アジアのなかの遣明船
村井章介 編集代表/橋本雄・伊藤幸司・須田牧子・関周一 編
ISBN 978-4-585-22126-5 Cコード 1021
刊行年月 2015年10月 判型・製本 菊判・並製 568 頁
キーワード 交流史,東アジア,日本史,室町,鎌倉

定価:4,180円
(本体 3,800円) ポイント:114pt

 品切 
書籍の詳細
異文化接触への視点がひらく豊饒な歴史世界

近年、研究が飛躍的に進展し、その歴史的重要性が注目されるアジアにおける国際関係。
日中のみならずアジア諸地域にまたがり、外交、貿易、宗教、文化交流など、さまざまな視角・論点へと波及する「遣明船」をキーワードに、14~16 世紀の歴史の実態を炙り出す。
日本史・東洋史のみならず、文学・美術史・考古学などの専門家総勢35名を執筆者に迎え、現在における研究の到達点を示す待望の入門書。

 

 

目次
はしがき 村井章介
 本書掲載地図一覧
 本書掲載表一覧
 凡例

第一部 通史と研究史
総論Ⅰ 遣明船の歴史―日明関係史概説― 村井章介・橋本雄
総論Ⅱ 研究史と史料―遣明船を研究するために― 伊藤幸司・須田牧子
《各論①》遣唐使船と遣明船との違い
《各論②》唐・宋・元に渡った僧侶たちと入明僧
《各論③》日元通交との連続面・断絶面
《各論④》中世日本の銅銭輸入の真相
《各論⑤》明代史の展開と対外関係
《各論⑥》高麗・朝鮮の遣中国使節
《各論⑦》最末期の遣明船

第二部 遣明船に乗った人々
総説 伊藤幸司
《各論①》堅中圭密
《各論②》宗金一族
《各論③》楠葉西忍
《各論④》天与清啓
《各論⑤》桂庵玄樹
《各論⑥》雪舟等楊とその流派―入明僧を中心に―
《各論⑦》取龍
《各論⑧》了庵桂悟
《各論⑨》宋素卿
《各論⑩》湖心碩鼎
《各論⑪》策彦周良
《各論⑫》神屋一族
《各論⑬》居座・土官―貿易事務官たち―
《各論⑭》通事
《各論⑮》医者

第三部 遣明使節の旅
総説 須田牧子
《各論①》『笑雲入明記』―宝徳度船の旅日記―
《各論②》『唐船日記』―楠葉西忍の昔語り―
《各論③》『戊子入明記』―応仁度船の準備記録―
《各論④》『壬申入明記』―永正度船の嘆願書集―
《各論⑤》『初渡集』・『再渡集』―天文八・一六年度船の旅日記―
《各論⑥》船としての遣明船
《各論⑦》瀬戸内海・博多・五島列島
《各論⑧》遣明船警固衆
《各論⑨》航海技術と季節風
《各論⑩》寧波と舟山群島
《各論⑪》寧波における迎接体制
《各論⑫》明代の「駅」管理と地方行政制度
《各論⑬》浙東運河
《各論⑭》京杭運河
《各論⑮》南京・北京の会同館
《各論⑯》遣明使節が起こした暴行事件
《各論⑰》寧波の乱(寧波事件)
《各論⑱》朱紈―王命に殉じた酷吏―

第四部 遣明使節の異文化接触
総説 村井章介
《各論①》寧波文人と遣明使の交流
《各論②》五山僧と教養
《各論③》肖像賛の世界
《各論④》墨蹟―妙智院所蔵送別図読解―
《各論⑤》渡唐天神像と寧波
《各論⑥》唐土勝景図巻と国々人物図巻
《各論⑦》江浙の寺院
《各論⑧》杭州西湖
《各論⑨》遣明使と陽明学

第五部 彼我を行き交うモノ
総説 関周一
《各論①》『天文十二年後 渡唐方進貢物諸色注文』―朝貢品をいかに調えるか―
《各論②》馬
《各論③》硫黄
《各論④》屏風・扇
《各論⑤》日本刀
《各論⑥》香料・香辛料・染料・薬剤
《各論⑦》絹織物
《各論⑧》書画
《各論⑨》唐物漆器
《各論⑩》陶磁器
《各論⑪》銅銭

第六部 外交文書と儀礼の世界
総説 橋本雄
《各論①》『善隣国宝記』―日本初の外交文書集―
《各論②》『嘉靖公牘集』―明役人との交渉文書集―
《各論③》表文
《各論④》勅諭・誥命
《各論⑤》勘合・咨文
《各論⑥》印章
《各論⑦》朝貢儀礼
《各論⑧》冊封儀礼
《各論⑨》外交の装い―足利義満の冊封に関する服装―

 本書掲載図版出典一覧
 編集後記
 執筆者一覧

索引(人名・寺社名)
プロフィール

村井章介(むらい・しょうすけ)
立正大学文学部教授。専門は東アジア文化交流史。
著書に『東アジア往還―漢詩と外交』(朝日新聞社、1995年)、『日本中世境界史論』(岩波書店、2013年)、『日本中世の異文化接触』(東京大学出版会、2013年)、『中世史料との対話』(吉川弘文館、2014年)などがある。

橋本雄(はしもと・ゆう)
北海道大学大学院文学研究科准教授。専門は中世日本国際関係史。
著書に『中世日本の国際関係―東アジア通交圏と偽使問題』(吉川弘文館、2005年)、『中華幻想―唐物と外交の室町時代史』(勉誠出版、2011年)、『NHKさかのぼり日本史 外交篇⑦室町〝日本国王〟と勘合貿易』(NHK出版、2013年)などがある。

伊藤幸司(いとう・こうじ)
九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。専門は日本中世史・東アジア交流史。
著書に『中世日本の外交と禅宗』(吉川弘文館、2002年)、『東アジア海域叢書11 寧波と博多』(共編著、汲古書院、2013年)、『東アジア海域に漕ぎだす4 東アジアのなかの五山文化』(共著、東京大学出版会、2014年)などがある。

須田牧子(すだ・まきこ)
東京大学史料編纂所助教。専門は日本中世対外関係史。
著書に『中世日朝関係と大内氏』(東京大学出版会、2011年)、『笑雲入明記―日本僧の見た見た明代中国』(共編、平凡社、2010年)、『描かれた倭寇「倭寇図巻」と「抗倭図巻」』(責任編集、吉川弘文館、2014年)などがある。

関周一(せき・しゅういち)
宮崎大学教育文化学部准教授。専門は日本中世史(対外関係史)・海域アジア史。
著書に『中世日朝海域史の研究』(吉川弘文館、2002年)、『対馬と倭寇―境界に生きる中世びと』(高志書院選書、高志書院、2012年)、『中世の唐物と伝来技術』(吉川弘文館、2015年)などがある。

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