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社会経済を展開させる装置、貨幣。中世から近世への社会変容のなかで、その使用の具体像はいかなる様相を呈していったのか。海域アジア世界との連環と地域社会における展開の実態とを複合的に捉え、貨幣流通秩序の形成過程を照射する。
川戸貴史(かわと・たかし)1974年生まれ。千葉経済大学経済学部准教授。博士(経済学)。専門は、貨幣経済史。著書に『戦国期の貨幣と経済』(吉川弘文館、2008年)、論文に「中世後期日本における「地域通貨」の視点」(『歴史の理論と教育』128、2008年)、「『玉塵抄』に見る戦国期日本の貨幣観」(『千葉経済論叢』48、2013年)、「15~17世紀海域アジアの交流と日本の貨幣」(『歴史学研究』950、2016年)などがある。