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天正18年(1590)、豊臣秀吉は関東の北条氏を滅ぼし、東北の伊達氏を服属させ、全国統一を成し遂げた―。高校教科書に記載される人口に膾炙した定説であるが、本当にこの時点で秀吉の天下統一は完成したのであろうか。関東・東北地方への戦後処理(宇都宮仕置・会津仕置)、そしてその後に勃発した各地の一揆への対応(奥羽再仕置)の波乱に満ちた実情を対象となった各地域それぞれの視点から仔細に描きだすことで、秀吉の天下統一の道程を改めて問い直す画期的成果。
江田郁夫(えだ・いくお)宇都宮短期大学人間福祉学科教授。専門は日本中世史。主な著書に『下野の中世を旅する』(随想舎、2009年)、『中世東国の街道と武士団』(岩田書院、2010年)、『戦国大名宇都宮氏と家中』(岩田書院、2014年)などがある。
★書評・紹介★「下野新聞」(2024年7月14日、21面)にて紹介されました。「読売新聞」栃木版(2024年7月23日)にて紹介されました。「デーリー東北」(2024年7月21日、6面)に書評が掲載されました。 →評者:松浦大輔氏