アジア遊学152
ヒガシアジアノタンシケイブンガク

東アジアの短詩形文学

俳句・時調・漢詩
静永健・川平敏文 編
ISBN 978-4-585-22618-5 Cコード 1390
刊行年月 2012年5月 判型・製本 A5判・並製 256 頁
キーワード 比較文学,詩歌,和歌,東アジア,近代,近世,中世,中古,上代

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

世界で最も文字数の少ない文学「俳句」、五言・七言の句より構成される「漢詩」、そして三章六句の抒情詩「時調(シジョ)」・・・。
東アジアには古来、短い字数でかつ雄大な空間、悠久の時間をとらえる文学のかたちがあった。
日中韓そして古代から現代へと、空間・時間を超えて共有される、研ぎ澄まされた言葉が織りなす短詩形文学の小宇宙を垣間見る。

 

 

目次
〈みじかいうた〉に咲く宇宙(コスモス) 静永健
雪・月・花のとき君をおもう―平安京、白楽天詩ことはじめ 静永健
漢詩の歌枕―詩跡 佐藤浩一
名作の楽しみ方―王之渙の「鸛鵲樓を登る」詩について 陳翀
王維のクオリアを探る―「輞川集」にみる〈光と音の交錯する世界〉 内田誠一
中唐の名句名言―人生の四季 諸田龍美
清風明月 人の管する無し 中尾健一郎
日本人が読んだ陸游―『増続陸放翁詩選』所収の絶句について 甲斐雄一
唐宋詞の名句―『草堂詩余』から 萩原正樹
藤原宇合の『論語』受容 ―『懐風藻』所載藤原宇合詩序二篇を手がかりとして 髙田宗平
仇を報ずるに恩を以てする―家康立功の大秘文 大渕貴之
三章六句の抒情―「時調」 中尾友香梨
時調と“サラン”―K-Popを考えながら 兪玉姫
韓国国際俳句の最新事情―郭大基氏の韓国俳句研究院の活動 東聖子
タガログ語ハイクについての考察 ―Gonzalo K. FloresとJose V. Panganibanを中心に 酒村有希

菊の生命―芭蕉句「起きあがる菊ほのか也」について 金田房子
日常を生きる詩―俳諧は老後の楽しみ 中森康之
ひらがなの漢詩―仮名詩史補綴 川平敏文
『北里歌』論―吉原を舞台とする詩画の交響 池澤一郎
北条霞亭の悼亡詩 小財陽平
日本における『三字経』の変容―三字句が生み出した世界 玉城要
明治文人と寒山 鄭文全
掌中の「月」―漢詩の「月」と日本人 土屋聡
俳句の客観ということ―高浜虚子の場合 井上泰至
十本の指、漂う手袋―近代俳句と小説の描写について 青木亮人
川柳こそプレカリアートの詩―鶴彬から乱鬼龍へ 楜沢健
大震災と詩歌 長谷川櫂
あとがき 川平敏文
プロフィール

静永健(しずなが・けん)
九州大学准教授。専門は中国古典文学。
著書に『漢籍伝来―白楽天の詩歌と日本』(勉誠出版、2010年)、『白居易「諷諭詩」の研究』(勉誠出版、2000年)、編著書に『から船往来―日本を育てた ひと・ふね・まち・ こころ』(中国書店、2009年)、『わかりやすくおもしろい中国文学講義』(中国書店、2002年)などがある。
『白居易研究年報』編集委員。『アジア遊学』ではこれまで93号、100号、105号、110号、116号、140号に寄稿している。

川平敏文(かわひら・としふみ)
九州大学大学院准教授。専門は日本近世文学。
著書に『兼好法師の虚像』(平凡社、2006年)、「江戸前期における禅と老荘―山岡元隣論序説」(『江戸の文学史と思想史』ぺりかん社、2011年)、「「つれづれ」の季節―江戸前期文芸思潮論―」(『語文研究』110号、2010年)などがある。

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