オオウチトオオトモ

大内と大友

中世西日本の二大大名
鹿毛敏夫 編
ISBN 978-4-585-22055-8 Cコード 3021
刊行年月 2013年6月 判型・製本 A5判・上製 568 頁
キーワード 日本史,戦国時代,中世

定価:10,450円
(本体 9,500円) ポイント:285pt

 品切 
書籍の詳細
領国比較により描き出される2大大名の歴史的特質

中世日本において、政治・経済・文化のあらゆる面で大きな存在感を有した九州や中国地方の地域権力。そこには、地理的条件を活かしながら、共に栄え、衰退していった2つの大名権力があった。
周防山口を本拠に西中国地方そして北部九州にも進出、全盛期には7カ国守護を兼ね、朝鮮・明との貿易や学問の奨励に努めた大内氏。
そして、豊後府内に本拠を置き6カ国守護を兼任するまでにいたり、キリスト教の保護や、カンボジア・ポルトガルとの貿易を推進した大友氏である。
比較的似通った環境・条件のなかで、12世紀から16世紀の激動の時代を生き抜き、滅びていったこの2つの地域政権、そしてその領国は、日本史の史的展開の文脈やアジア社会の空間的広がりのなかでいかなる位置づけと意義を有するのか。
文献史学・考古学・分析化学・対外交流史等の観点から大内氏・大友氏を多面的に比較することにより、その歴史的特質を明らかにする。

 

 

目次
序 文―大名領国比較史へのいざない―  鹿毛敏夫

第一部 大内・大友領国の人と権力
大内氏の惣庶関係をめぐって 和田秀作
戦国大名大友氏の軍事編成と合戦  八木直樹
【コラム】大内氏の在京活動 須田牧子
大内氏当主側近層の形成と展開 中司健一
一六世紀九州における豪商の成長と貿易商人化 鹿毛敏夫

第二部 大内・大友領国の都市構造
南蛮貿易時代の豊後府内―出土遺物様相からみた国際貿易都市豊後府内の評価― 坪根伸也
豊後府内の建物遺構 坂本嘉弘
中世の山口 増野晋次
大友都市臼杵とは何であったか 神田高士

第三部 大名領国出土の遺物
豊後府内から出土した金属材料の産地 平尾良光
周防国乗福寺跡出土瓦の再検討―もうひとつの滴水瓦― 佐藤力
豊後府内出土の金箔押し鬼瓦・鯱瓦の年代と問題点―中世大友府内町跡第一一次・第七二次調査出土の瓦資料の検討― 吉田寛

第四部 大内氏・大友氏の外交と宗教
天文八年の「大内氏」日本使節とその貿易活動 オラー・チャバ(Olah Csaba)
大内氏の外交と大友氏の外交 伊藤幸司
The Otomo and Competition in the Ritual Marketplace(英文) Christopher M. Mayo(クリストファー・メイヨー)

あとがき 鹿毛敏夫
プロフィール

鹿毛敏夫(かげ・としお)
1963 年生まれ。国立新居浜工業高等専門学校准教授・東京大学史料編纂所研究員。博士(文学)。日本中世史専攻。
著書に、『戦国大名の外交と都市・流通』(思文閣出版、2006年)、『アジアン戦国大名大友氏の研究』(吉川弘文館、2011年)、『大航海時 代のアジアと大友宗麟』(海鳥社、2013年)、編著に、『戦国大名大友氏と豊後府内』(高志書院、2008年)、論文に、「『抗倭図巻』『倭寇図巻』と 大内義長・大友義鎮」(『東京大学史料編纂所研究紀要』23 号、2013年)などがある。

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