アジア遊学187
カイイヲバイカイスルモノ

怪異を媒介するもの

東アジア恠異学会 編
ISBN 978-4-585-22653-6 Cコード 1339
刊行年月 2015年8月 判型・製本 A5判・並製 296 頁
キーワード 妖怪,民俗学,世界史,日本史

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

「怪異」は中国の災異思想をはじめ、日本の神仏による霊験や物の怪、西洋の驚異、また民間説話や芸能、文学作品に見える妖怪など、様々なものを指すが、いずれも不思議な現象を読み解き、説明する情報の発信者と受容者のコミュニケーションによって成立する。
そこには、神霊と人、人と人を「媒介」する〈知〉と〈技〉が重要な役割を果たしてきた。卜占や託宣を操る宗教者、怪異を知識で解釈する儒者や国学者、怪異をエンターテイメントに昇華させる作家や芸能者等「媒介者」は多様である。
その諸相を検討し、「怪異」をめぐる社会や人々の心性のダイナミズムを明らかにする。

 

 

目次
はじめに 大江篤

Ⅰ 記す・伝える
霊験寺院の造仏伝承―怪異・霊験譚の伝播・伝承 大江 篤
『風土記』と『儀式帳』―恠異と神話の媒介者たち 榎村寛之
【コラム】境界を越えるもの―『出雲国風土記』の鬼と神 久禮旦雄
奈良時代・仏典注釈と霊異―善珠『本願薬師経鈔』と「起屍鬼」 山口敦史
【コラム】古文辞学から見る「怪」―荻生徂徠『訳文筌蹄』『論語徴』などから 木場貴俊
「妖怪名彙」ができるまで  化野燐

Ⅱ 語る・あらわす
メディアとしての能と怪異  久留島元
江戸の知識人と〈怪異〉への態度―〝幽冥の談〞を軸に 今井秀和
【コラム】怪異が現れる場所としての軒・屋根・天井 山本陽子
クダンと見世物 笹方政紀
【コラム】霊を捉える―心霊学と近代の作家たち 一柳廣孝
「静坐」する柳田国男 村上紀夫

Ⅲ 読み解く・鎮める
遣唐使の慰霊 山田雄司
安倍吉平が送った「七十二星鎮」 水口幹記
【コラム】戸隠御師と白澤  熊澤美弓
天変を読み解く―天保十四年白気出現一件 杉岳志
【コラム】陰陽頭土御門晴親と「怪異」 梅田千尋
吉備の陰陽師 上原大夫  木下浩

Ⅳ 辿る・比べる
王充『論衡』の世界観を読む―災異と怪異、鬼神をめぐって 佐々木聡
中国の仏教者と予言・讖詩―仏教流入期から南北朝時代まで  佐野誠子
【コラム】中国の怪夢と占夢  清水洋子
中国中世における陰陽家の第一人者―蕭吉の学と術 余欣(翻訳:佐々木聡・大野裕司)
台湾道教の異常死者救済儀礼   山田明広
【コラム】琉球の占術文献と占者 山里純一
【コラム】韓国の暦書の暦注  全勇勳
アラブ地域における夢の伝承 近藤久美子
【コラム】〈驚異〉を媒介する旅人 山中由里子

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