マハーバーラタニュウモン

マハーバーラタ入門

インド神話の世界
沖田瑞穂 著
ISBN 978-4-585-21052-8 Cコード 0014
刊行年月 2019年5月 判型・製本 四六判・並製 240 頁
キーワード 文化史,民俗学,説話,古代

定価:1,980円
(本体 1,800円) ポイント:54pt

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書籍の詳細

ここに存するものは他にもある。
しかし、ここに存しないものは、他のどこにも存しない―


神話・教説・哲学が織り込まれた古代インド叙事詩『マハーバーラタ』。
18巻・十万詩節からなるヒンドゥー教の聖典を1冊にまとめた画期的入門書!!
英雄・アルジュナ、宿敵・カルナ、ヴィシュヌの化身・クリシュナ、絶世の美女・ドラウパディー…。神々・英雄たちが活躍する今話題の『マハーバーラタ』が一冊で丸わかり!

★『マハーバーラタ』とは…
サンスクリット語で書かれ、全18巻、約10万もの詩節より成る古代インド叙事詩。「マハーバーラタ」は、「マハー(偉大な)・バラタ族」=「バラタ族の物語」という意味。
従兄弟同士の戦争物語を主筋とし、その間に多くの神話、教説、哲学が織り込まれた、膨大な書物である。物語では、何億という人間が戦争で命を落とし、生き残るのはたったの10人であるため、この物語を「寂静の情趣(シャーンタ・ラサ)」とよぶこともある。


【本書の特色】
◎長大な物語を、4章構成とし、それぞれ「主筋」・「挿話」に分け、わかりやすく解説。
◎神話モチーフの読み解き、他地域の神話との類似点や相違点、登場人物についての豆知識など『マハーバーラタ』がより深く楽しめる多数のコラムを掲載。
◎英雄たちの系図、登場人物一覧、索引など充実の附録。

 

 

目次
はじめに
◆附録―あらすじ
◆附録―主要登場人物一覧
◆附録―系図

第1章 はじまりの神話
◉序 宇宙のはじまり
◉主筋1 大地の重み
◉主筋2 蛇供犠
◉主筋3 ガンガー女神の結婚
◉主筋4 王母サティヤヴァティー
◉主筋5 パーンドゥ王の二人の妃と息子たち
◉主筋6 カルナの誕生
◉主筋7 ガーンダーリーの息子たち
◉主筋8 クリパとドローナの誕生
◉主筋9 御前試合
◉主筋10 燃えやすい家の罠
◎挿話1 ウッタンカとタクシャカ竜王
◎挿話2 カドルーとヴィナター、鳥の母と蛇の母
◎挿話3 乳海攪拌神話
◎挿話4 シャクンタラー物語
◎挿話5 呪術師ウシャナスとその娘デーヴァヤーニーの物語

第2章 繁栄
◉主筋1 ビーマの羅刹退治
◉主筋2 ドラウパディーの婿選びと五人の夫
◉主筋3 王国の獲得
◉主筋4 アルジュナの放浪1
◉主筋5 カーンダヴァ森炎上
◉主筋6 集会場
◉主筋7 ラージャスーヤ祭
◉主筋8 骰子賭博と王国追放
◎挿話1 タパティー物語
◎挿話2 ティローッタマー

第3章 追放
◉主筋1 アルジュナの放浪2
◉主筋2 ビーマとハヌマーン
◉主筋3 ドゥルヨーダナの牧場視察
◉主筋4 カルナ、耳輪を奪われる
◉主筋5 夜叉の問いとユディシュティラ
◉主筋6 ヴィラータ王宮での変装
◉主筋7 ウッタラ王子とブリハンナダー
◎挿話1 ナラ王物語
◎挿話2 サガラ王の息子たち
◎挿話3 ソーマカ王の一人息子
◎挿話4 カリ・ユガの終末
◎挿話5 蛙の奥方
◎挿話6 スカンダの誕生
◎挿話7 サーヴィトリー物語

第4章 戦争と死
◉主筋1 アルジュナとドゥルヨーダナの選択
◉主筋2 サンジャヤの使節
◉主筋3 クリシュナの平和使節
◉主筋4 クンティー、息子カルナに会う
◉主筋5 進軍
◉主筋6 ビーシュマ、総司令官になる
◉主筋7 アンバー物語
◉主筋8 戦争直前
◉主筋9 戦争第一日目
◉主筋10 戦争第二日目
◉主筋11 戦争第三日目
◉主筋12 戦争第四日目
◉主筋13 戦争第五日目
◉主筋14 戦争第六日目
◉主筋15 戦争第七日目
◉主筋16 戦争第八日目
◉主筋17 戦争第九日目
◉主筋18 戦争第十日目
◉主筋19 戦争第十一日目
◉主筋20 戦争第十二日目
◉主筋21 戦争第十三日目
◉主筋22 戦争十四日目
◉主筋23 夜戦
◉主筋24 戦争第十五日目
◉主筋25 戦争第十六日目
◉主筋26 戦争第十七日目
◉主筋27 戦争十八日目
◉主筋28 アシュヴァッターマンによる夜襲とドゥルヨーダナの死
◉主筋29 ブラフマシラス
◉主筋30 ガーンダーリーの呪い
◉主筋31 アシュヴァメーダ
◉主筋32 死
◎挿話1 マータリの地底界遍歴1 ヴァルナ/ヴァールニーの御殿
◎挿話2 マータリの地底界遍歴2 パーターラ
◎挿話3 マータリの地底界遍歴3 ヒラニヤプラ
◎挿話4 マータリの地底界遍歴4 スパルナ(鳥族)の世界
◎挿話5 マータリの地底界遍歴5 ラサータラ(第7の地底界)
◎挿話6 マータリの地底界遍歴6 ボーガヴァティー(竜の世界)
◎挿話7 マーダヴィー物語
◎挿話8 死の女神の誕生
◎挿話9 シュリーと雌牛

コラム一覧
❖「大地の重荷」のモチーフ
❖繰り返される「大地の重荷」のモチーフ
❖「化身」とは
❖「増えすぎた生類」のモチーフ
❖同じ名前の夫婦
❖羅刹を焼く祭式
❖ビーシュマとアキレウスの出生
❖ヴィヤーサ、マハーバーラタの作者にして登場人物
❖パーンダヴァ五兄弟と「三機能体系」
❖ヴィチトラヴィーリヤとパーンドゥ、子をなさなかった二代の王
❖「水界に流される英雄」のモチーフ
❖「肉塊を産む」モチーフ
❖単性生殖の神話の意味
❖ビーマの棍棒戦とアルジュナの弓術
❖アルジュナの武器の名前の作り方
❖ユディシュティラのイニシエーション
❖機織りの女神
❖「火の神話」としての乳海攪拌神話
❖同じ「蘇生の術」を使うアスラの話
❖ビーマのイニシエーションとしての羅刹退治
❖ドラウパディーとシヴァ
❖世界滅亡の神話
❖「七名」の生き残り
❖神々とアスラの世界の「鏡」構造
❖骰子賭博と宇宙
❖クル族の系譜と女神たち
❖サンスクリット語の美しさとは
❖ティローッタマーとパンドラ
❖アルジュナのイニシエーション2
❖ビーマのイニシエーション2
❖ドゥルヨーダナと「豊穣」
❖ユディシュティラのイニシエーション
❖アルジュナの10の異名
❖挿話と主筋の類似
❖「海」の語源
❖「息子」を望むわけ
❖カリ・ユガの終末と乳海攪拌神話
❖さまざまな禁忌
❖「そわか」の起源
❖軍神スカンダ
❖「逆オルペウス型」?
❖カウラヴァ軍と財物で買われた将軍たち
❖パーンダヴァ軍とカウラヴァ軍の特徴
❖「18」の謎
❖両軍の対戦相手一覧
❖ドローナの年齢
❖二人のクリシュナ
❖シャクニの「両腕」
❖『マハーバーラタ』の三神一体(トリムールティ)
❖ブラフマシラスとブラフマ・アストラ
❖女神と女性の呪い
❖アルジュナにおける「機能の上昇」
❖犬と死
❖ユディシュティラの「三度」の試練
❖武器の宝庫としてのヴァルナの宮殿
❖月と不死
❖宇宙卵
❖豊かな都としてのヒラニヤプラ
❖水平的世界観
❖地底界に鳥族の世界?
❖鳥と蛇は親族
❖大地を支える「牛」モチーフ
❖美しい蛇
❖三機能を総合する女神の系譜
❖死と女神
❖浮気な女神としてのシュリー
プロフィール

沖田瑞穂(おきた・みずほ)
1977年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。現在、中央大学、日本女子大学、白百合女子大学非常勤講師。
専攻はインド神話、比較神話。著書に『マハーバーラタの神話学』(弘文堂、2008年)、『怖い女』(原書房、2018 年)、『人間の悩み、あの神様はどう答えるか』(青春文庫、2018年)などがある。

書評・関連書等

ダ・ヴィンチニュース(2019年5月26日)に書評が掲載されました。
 →(評者:古川諭香(フリーライター))
読書人(2019年6月14日)に書評が掲載されました。
 →(評者:松村一男(和光大学教授))
「こどもとしょかん」第163号(2019年秋号)に紹介文が掲載されました。
「ほんのしるべ書標」(2020年3月号)特集「現代に息づく神話伝説・史実の英雄たちのことをもう少しだけ深く知るための本」で紹介されました。

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