センゴクカッセンズビョウブノレキシガク

戦国合戦図屛風の歴史学

高橋修 著
ISBN 978-4-585-22301-6 Cコード 3021
刊行年月 2021年2月 判型・製本 A5判・上製 528 頁
キーワード 美術,日本史,戦国時代,中世

定価:9,900円
(本体 9,000円) ポイント:270pt

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書籍の詳細
豪華絢爛!細密の極致!
「戦国合戦図屛風」はなぜ作られたのか?

「川中島合戦図屛風」「長篠・長久手合戦図屛風」「関ヶ原合戦図屛風」など、主要作品20数点を、歴史学の視点から丹念に読み解き、図像的特徴や成立背景、写本の普及と合戦像の定着、後世の評価について明らかに。
長年、合戦図屛風を追究してきた著者による研究成果の集大成。

 

 

目次
目次

カラー口絵

序論 「戦国合戦図屛風」の世界
はじめに―本書刊行の目的―
一、「戦国合戦図屛風」とは何か
二、「戦国合戦図屛風」の成立と展開
三、「戦国合戦図屛風」研究の進展
四、本書の構成


第Ⅰ部 「川中島合戦図屛風」と甲越軍学
第一章 紀州本「川中島合戦図屛風」と紀州徳川家
はじめに
一、諸本概説
二、紀州本の概要
三、紀州本の成立背景
翻刻1 川中島合戦図屛風(和歌山県立博物館蔵)の短冊
翻刻2 川中島合戦図屛風(和歌山県立博物館蔵)の貼紙

第二章 軍学者宇佐美定祐について―紀州本「川中島合戦図屛風」の周辺―
はじめに
一、紀州藩由緒書
二、南紀徳川史
三、軍令
四、紀侯言行録(大君言行録)
五、小牧御陣記
六、川中島合戦弁・川中島年月考
七、藩翰譜
おわりに

第三章 甲越軍学の軌跡―山本勘助と宇佐美駿河守を生みだしたもの―
はじめに
一、忘れ去られた研究分野
二、甲州流軍学の成立
三、越後流軍学の派生
おわりに
[補説] 享保二年(一七一七)四月十五日付栗林次郎左衛門(政盛)宛
     大河原重祐要門流印可状

第四章 山本勘助と『甲陽軍鑑』
はじめに
一、小幡景憲の築城論と山本勘助
二、山鹿素行の大星伝と山本勘助
おわりに
[補説一] 狩野文庫の杉山家資料
[補説二] 「武田信玄配陣図屛風」と「武田信玄本陣之図」について

第五章 米沢市上杉博物館蔵「川中島合戦図屛風」―画面構成と成立背景―
はじめに―米沢本の出現―
一、各場面の内容
二、場面構成の特徴
三、成立背景

第六章 ミュージアム中仙道蔵「川中島合戦図屛風」の図像的特徴と成立背景―公武協調の時代と「上杉謙信」―
はじめに
一、中仙道本の図像的特徴
二、中仙道本に関するデータ
三、上杉謙信と朝廷
四、中仙道本成立時期の朝廷と幕府
五、関白近衛基煕とその系譜
おわりに―中仙道本の成立背景についての仮説―


第Ⅱ部 「長篠・長久手合戦図屛風」
第七章 「長篠・長久手合戦図屛風」の概要と論点
一、諸本の概要と研究の現状
二、諸本をめぐる論点

第八章 「長久手合戦図屛風」の成立と展開
はじめに
一、小牧・長久手の戦いと成瀬本
二、成瀬本の成立
三、成瀬本の展開
四、徳川本の成立とその意味
おわりに

第九章 「長篠合戦図屛風」を読む
はじめに
一、画面構成と成立年代
二、成瀬家の十七世紀
三、成瀬本の成立
おわりに―成瀬本の復活―

第十章 尾張・紀伊両徳川家における小牧・長久手合戦の研究と顕彰
はじめに―問題の所在―
一、尾張徳川家による小牧・長久手古戦場の整備と顕彰
二、紀伊徳川頼宣の小牧・長久手合戦研究
三、尾張・紀伊両徳川家と小牧・長久手合戦
おわりに


第十一章 豊田市郷土資料館蔵「長篠・長久手合戦図屛風」の図像的特徴と成立背景
はじめに
一、浦野本の内容
二、浦野本の伝来と成立背景


第Ⅲ部 「合戦図屛風」の諸相
第十二章 「賤ヶ岳合戦図屛風」と『川角太閤記』
はじめに
一、諸本の概要
二、大阪城A本と二つの『太閤記』

第十三章 「蔚山合戦図屛風」(「朝鮮軍陣図屛風」)の成立と展開
はじめに
一、図像の解読
二、原本の成立、写本の展開
三、製作背景
おわりに

第十四章 和歌山県立博物館蔵「壬辰倭乱図屛風」について
はじめに
一、諸作品の概要
二、和歌山県立博物館蔵「壬辰倭乱図屛風」の概要
三、「東莱府殉節図」との比較検討
四、第一次晋州戦闘図の可能性
おわりに

第十五章 「関ヶ原合戦図屛風」の概要と研究の現状
はじめに
一、大阪歴史博物館蔵「関ヶ原合戦図屛風」
二、関ヶ原町歴史民俗学習館蔵「関ヶ原合戦図屛風」
三、行田市郷土博物館蔵「関ヶ原合戦図屛風」
四、その他の作品

第十六章 解題「長谷堂合戦図屛風」
はじめに―長谷堂合戦と「長谷堂合戦図屛風」―
一、右隻
二、左隻
おわりに

第十七章 「湊川合戦図屛風」の世界
はじめに―湊川の戦い―
一、解説「湊川合戦図屛風」
二、『太平記』講釈の時代
三、「湊川合戦図屛風」の成立

第十八章 「結城合戦絵詞」とは何か
はじめに
一、「結城合戦絵詞」を読む
二、「結城合戦絵詞」の復元
三、「鎌倉殿物語」と「鎌倉殿物語絵巻」
おわりに―もう一つの主題―

補論  その他の作品の手引き
はじめに
一、姉川合戦図屛風
二、耳川合戦図屛風
三、山崎合戦図屛風
四、大坂冬の陣図屛風
五、大坂夏の陣図屛風
六、最上屛風

総論  総括と課題


戦国合戦図屛風所在一覧
あとがき
初出一覧
索引
プロフィール

高橋修(たかはし・おさむ)
茨城大学人文社会科学部教授。専門は日本中世史。
主要著書に『中世武士団と地域社会』(清文堂出版、2000年)、『図説 戦国合戦図屏風の世界』(監修、学研、2002年)、『【異説】もうひとつの川中島合戦―川中島合戦図屏風の発見』(洋泉社、2007年)、『熊谷直実 中世武士の生き方』(吉川弘文館、2014年)、『信仰の中世武士団―湯浅一族と明恵―』(清文堂出版、2016年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「日本歴史」896号(2023年1月1日発行)に書評が掲載されました。
 →評者:堀 新氏(共立女子大学文芸学部教授)

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