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入唐僧恵蕚と東アジア 附 恵蕚関連史料集

田中史生 編
ISBN 978-4-585-22093-0 Cコード 3021
刊行年月 2014年9月 判型・製本 A5判・上製 280 頁
キーワード 交流史,仏教,中国,東アジア,日本史,平安,中世

定価:5,500円
(本体 5,000円) ポイント:150pt

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書籍の詳細
人物史から映し出される東アジアの多元性

最後の遣唐使帰国直後、太皇太后橘嘉智子の命により商船に乗り渡唐した日本僧、恵蕚。
彼は中国四大聖山の一つ「普陀山」を開基し、また、在唐新羅人や唐人との親交を深めながら、五臺山を度々訪れ、唐から初めて禅僧を招聘し、また、平安朝文学に大きな影響を与えた『白氏文集』の将来にも大きな役割を果たすなど、東アジア交流に大きな足跡を残した人物である。
本書では、日中に分散し全貌のつかみづらかった恵蕚に関する史料三十六種を集成、また、恵蕚と恵蕚を取り巻く唐・新羅の人々を追うことで多元的で広がりのある歴史世界を描き出す論考三本を収載。東アジアの政治史、仏教史、文化史、海域史などの諸分野に新たな研究素材と視点を提供する。

 

 

目次
序 文 田中史生

論考篇
 入唐僧恵蕚に関する基礎的考察 田中史生
 白居易と楊氏兄弟との交友―新出石刻資料を中心に― 葛継勇
 新羅の禅宗受容と梵日 李侑珍

恵蕚関連史料集 田中史生
凡 例
日本史料
1 『入唐求法巡礼行記』巻第三 会昌元年(八四一)九月七日条
2 『入唐求法巡礼行記』巻第三 会昌二年(八四二)五月二十五日条
3 『入唐求法巡礼行記』巻第三 会昌五年(八四五)七月五日条
4 『白氏文集』巻第一一 識語
5 『白氏文集』巻第一二 識語
6 『白氏文集』巻第一三 識語
7 『白氏文集』巻第二〇 識語
8 『白氏文集』巻第二五 識語
9 『白氏文集』巻第三一 識語
10 『白氏文集』巻第三三 識語
11 『白氏文集』巻第四一 識語
12 『白氏文集』巻第四四 識語
13 『白氏文集』巻第四九 識語
14 『白氏文集』巻第五〇 識語
15 『白氏文集』巻第五二 識語
16 『白氏文集』巻第五九 識語
17 『続日本後紀』巻一七 承和十四年(八四七)七月辛未条
18 『日本文徳天皇実録』巻一 嘉祥三年(八五〇)五月壬午条
19 『高野雑筆集』下巻所収唐人書簡
20『安祥寺資財帳』
21『入唐五家伝』頭陀親王入唐略記
22『佛説觀普賢菩薩行法經記』巻下・修六念法
23『勝語集』巻下
24『紀州由良鷲峰開山法燈円明国師之縁起』 中巻
25『元亨釈書』巻六 唐國義空伝
26『元亨釈書』巻一六 唐補陀落慧蕚伝
27『夢窓正覺心宗普濟國師語録』巻下・陞座
28『智覺普明國師春屋和尚語録』巻第二巻・陞座上
29『永源寂室和尚語録』下・江州永源寺開山圓應禪師行状
30『東福廿三世無徳和尚行實』
31『天龍紀年考略』
32『東寺王代記』
33『善隣国宝記』巻上 嵯峨天皇記
34『塵添壒囊鈔』巻第一五
35『東渡諸祖傳』巻之上 唐義空大禪師傳
36『延寶傳燈録』巻第一 唐杭州海昌院齊安國師法嗣洛西檀林寺義空禪師伝
37『本朝高僧傳』巻第一九 洛陽檀林寺沙門義空傳〈元亨釋書第六、延寶傳燈録第一〉
38『本朝高僧傳』巻第六七 唐國補陀落寺沙門慧蕚傳
  〈入唐五家傳、僧網補任抄出巻上、元享釋書第十六〉

中国史料
39『佛祖統紀』第四二
40『佛祖歴代通載』巻第一六
41『釋氏稽古略』巻三
42『補陀洛迦山傳』應感祥瑞品第三
43『補陀洛迦山傳』興建沿革品第四
44『普陀山志』巻二山水
45『普陀山志』巻二建置
46『普陀山志』巻二霊異
47『普陀山志』巻二釈子〈仙附〉
48『普陀山志』巻四事略・感應祥異品
49『普陀山志』巻四事略・興建沿革品
50『普陀山志』巻四事略 重修補陀山寳洛迦山考(汪鏜〈鄞人禮部尚書〉)
51『寳慶四明志』巻一一・十方律院六・開元寺条
52『延祐四明志』巻一六昌国州寺院・宝陀寺条
53『延祐四明志』巻一六律十方院七・五臺開元寺条
54『大徳昌國州圖志』卷七・寺院・宝陀寺条
55『寧波郡誌』巻九寺観攷・鄞縣・寺
56『寧波郡誌』巻九寺観攷・鄞縣・寺
57『寧波郡誌』巻九寺観攷・定海縣・寺
58『寧波府志』巻一八・鄞縣・寺・補陀禅寺
59『天中記』巻三六・三大道場条
60『宋学士文集』巻三八(翰苑別集第八)
61『籌海圖編』巻二上 倭國朝貢事略
62『宣和奉使高麗図経』巻三四海道一

索 引
プロフィール

田中史生(たなか・ふみお)
1967年福岡県生まれ。関東学院大学経済学部教授、博士(歴史学)。専門は日本古代史。地域史や国際交流史研究を通し、列島社会の歴史的多元性・多様性・国際性の解明をすすめている。
主な編著書に、『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房、1997年)、『倭国と渡来人―交錯する「内」と「外」』(吉川弘文館、2005年)、『越境の古代史―倭と日本をめぐるアジアンネットワーク』(筑摩書房、2009年)などがある。

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