江戸川乱歩の自筆資料を初公開
1920年代に登場して日本の探偵小説界を牽引するとともに、いまなお広汎な読者を獲得し続けている江戸川乱歩は、膨大な自筆資料を残している。
本特集では、乱歩がその作家的生涯を克明に記録し、自作への批評はもとより新聞・雑誌記事の情報まで貼り込んだ自筆スクラップ帖『貼雑年譜』(全9巻)、自作の草稿、下書き、構想メモ、読書ノートなどを収めた「文反古」に関する分析を試みるとともに、デビュー前の1913年から戦時下の1943年まで断続的に書き継がれた日記の内容を初公開する。
若かりし日の苦悩と試行錯誤、小説のアイディアを作品として完成させるまでの過程をたどる草稿研究、途中で頓挫してしまった構想や企画を浮き彫りにする試みなどを通して、活字化された作品を読むだけでは見えてこない作家・江戸川乱歩ワールドの舞台裏を探る。