アジア遊学154
ブンカソウゾウノズゾウガク

文化創造の図像学

日本の宗教空間と身体
阿部泰郎 編
ISBN 978-4-585-22620-8 Cコード 1320
刊行年月 2012年6月 判型・製本 A5判・並製 240 頁
キーワード 美術,文化史,キリスト教,仏教,アジア,世界史,日本史,古代,近世,中世,中古

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細
図像解釈の連環より日本文化の“知”の体系を見出す

日本文化のめざましい特色のひとつは、時代を越え、領域を超えて、ある文化主題が強靭な生命力をもって受けつがれることである。
その文化の伝承とは、絶えず姿を変え、多様な舞台に遷りかわり、互いに影響を及ぼし合いながら、人々の心意に深くはたらきかけるメッセージとなって、世界像を革新していく“知”の発信でもあった。そうして、何よりその媒体として力を発揮するのがイメージ、つまり図像にほかならない。
本書では仏教をはじめとする宗教や、病や死など身体にまつわる根本的な課題などに着目し、図像解釈の連環の中で、文化の創造と“知”の発信が如何になされていったのかを考究する。

 

 

目次
序言:文化創造の図像学―日本の宗教空間と身体 阿部泰郎
四天王寺をめぐる聖徳太子伝と絵伝―霊地を創る太子 阿部泰郎
聖徳太子絵伝の制作拠点に関する一考察―四天王寺と法隆寺を中心に 村松加奈子
『誉田宗廟縁起絵巻』の伝来についての一考察 メラニー・トレーデ
『箱根権現縁起絵巻』の再創造―描かれた霊地 阿部美香
雪舟絵画に見られる典型的山のモチーフとその意味―平らな「闕型」の山と傾いた山型  アグネセ蓜島
擬人化され、可視化される植物・食物―室町から江戸時代を中心に 伊藤信博
食物と疫病の合戦を描く錦絵について―食養生の観点から 畑有紀
病の図像学的解釈の試み―結核とその周辺 福田眞人
最期のお名残狂言―歌舞伎役者の行方を描く死絵の豊かな世界 ジュリアン・フォーリ
十二類歌合絵と詞書の〈もどき〉表現 高橋亨
絵巻が語るものと楽器が語ること―フリーア本『地蔵菩薩霊験記絵』第四話をめぐって 猪瀬千尋
子どもの和歌再説―草子地への着目から 青木慎一
布教のために使用された西洋美術―渡来から日本美術に及ぼした影響まで プイヴェ・エレン
キリスト教宣教の諸相―十六・十七世紀日本における表象と信仰 水戸博之
プロフィール

阿部泰郎(あべ・やすろう)
名古屋大学文学研究科教授。専門は中世日本宗教テクスト学。
主な編著書に『守覚法親王と仁和寺御流の文献学的研究』(勉誠社、1998年)、『湯屋の皇后―中世の性と聖なるもの』(名古屋大学出版会、1998年)、『聖者の推参―中世の声とヲコなるもの』(名古屋大学出版会、2001年)などがある。

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