アジア遊学169
サンゴクイジノアラタナチヘイ

『三国遺事』の新たな地平

韓国古代文学の現在
袴田光康・許敬震 編
ISBN 978-4-585-22635-2 Cコード 1339
刊行年月 2013年12月 判型・製本 A5判・並製 244 頁
キーワード 民俗学,説話,中国,東アジア

定価:2,640円
(本体 2,400円) ポイント:72pt

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書籍の詳細

高麗の普覚国尊一然(イルネン)が、その最晩年に編んだ『三国遺事』は、十三世紀末の朝鮮半島に流布していた神話や説話の宝庫である。
巫俗文化の古い要素と、一然の時代の仏教思想を反映した新しい要素が幾重にも重なる『三国遺事』をどう検証すべきか。
その構成や特性、神仏習合としての視点、日本の神話や琉球の伝承との比較など様々な方面から『三国遺事』を捉え直す。
近代以降築かれてきた日韓の学問の壁を越え、両国の研究者が探る『三国遺事』研究の現在。

 

 

目次
『三国遺事』研究の始発と現在 袴田光康

総論
 仏教的想像力から編纂した『三国遺事』 許敬震(金孝珍訳)

研究の栞①―研究の基盤
 一然と陳尊宿 閔泳珪(金孝珍訳)
 『三国遺事』の編目の構成 李基白(李恵燕訳)

『三国遺事』の深層
 『三国遺事』と日本神話―日光感精神話の行方 堂野前彰子
 薯童謡 ―『三国遺事』の紀異篇「武王」条と弥勒寺の西塔の舎利記 辛鐘遠(李恵燕訳)
 『三国遺事』にみる道教と花郎国仙―李能和『朝鮮道教史』を手がかりとして 増尾伸一郎

『三国遺事』から広がる世界
 郷歌に対する二、三の雑感 金完鎮(李恵燕訳)
 義湘大師と明恵上人―『三国遺事』と『華厳縁起』を中心に 金任仲
 『三国遺事』と琉球の伝承世界 木村淳也

研究の栞②―研究の新傾向
 德川家蔵書目録に現れた『三国遺事』伝承 高雲基(金孝珍訳)

『三国遺事』の新たな地平
 『三国遺事』の護国思想と万波息笛説話の「波」―新羅を襲った津波と神功皇后説話 松本真輔
 『三国遺事』の構成とその特性 金●泰(李恵燕訳)
 『三国遺事』における神仏の習合―帝釈信仰と護国思想 袴田光康

特別寄稿
 江原道の月精寺・神福寺址の夫人坐像を訪ねる―韓国の韋提希夫人か 日向一雅

研究の栞③―研究の扉
 『三国遺事』研究文献目録 木下綾子

*●は「火+英」

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