アジア遊学180
ナンソウコウコノシジンタチ

南宋江湖の詩人たち

中国近世文学の夜明け
内山精也 編
ISBN 978-4-585-22646-8 Cコード 1398
刊行年月 2015年3月 判型・製本 A5判・並製 280 頁
キーワード 詩歌,古典,中国

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

中国文学史上、最初に顕著な文学活動をした市民階層の詩人群である江湖詩人。
彼らを売り出したのは都大路に店を構えた書肆の主。一商人が出版という営為を通じて、伝統詩学の新たなトレンドを生み出し、元明清三代の魁となった。
彼らの影響は日本にも及んでおり、彼らの位置づけを正しく行い再評価することで、中国近世の文学史全体を大きく書き換えることができるだろう。
本書を通してこの詩派の価値と内実を紹介する。

 

 

目次
巻頭言 南宋江湖詩人研究の現在地 内山精也

Ⅰ 南宋江湖詩人の位相と意義
南宋江湖詩人の生活と文学 張宏生(翻訳:保苅佳昭)
晩唐詩と晩宋詩 銭志熙(翻訳:種村和史)
晩宋の社会と詩歌 侯体健(翻訳:河野貴美子)
江湖詩人と儒学―詩経学を例として 種村和史

Ⅱ 江湖詩人の文学世界
謁客の詩 阿部順子
江湖詩人の詠梅詩―花の愛好と出版文化 加納留美子
江湖詩人の詞 保苅佳昭
〝鑑定士〞劉克荘の詩文創作観 東英寿
劉克荘と故郷=田園 浅見洋二

Ⅲ 江湖詩人と出版
陳起と書棚本 羅鷺(翻訳:會谷佳光)
【コラム】江湖詩禍 原田愛
【コラム】陳起と江湖詩人の交流 甲斐雄一
江湖詩人の詩集ができるまで―許棐と戴復古を例として 内山精也・王嵐
【コラム】近体詩の作法―分類詩集・詩語類書・詩格書 坂井多穂子
『草堂詩余』成立の背景―宋末元初の詞の選集・分類注釈本と福建 藤原祐子

Ⅳ 宋末元初という時代
『咸淳臨安志』の編者潜説友―南宋末期臨安と士人たち 小二田章
【コラム】『夢粱録』の世界と江湖の詩人たち 中村孝子
【コラム】臨安と江浙の詩社 河野貴美子
転換の現出としての劉辰翁評点 奥野新太郎
金末元初における「江湖派的」詩人―楊宏道と房皞 高橋幸吉
金元交替と華北士人 飯山知保

Ⅴ 日本との関わり
詩法から詩格へ―『三体詩』およびその抄物と『聯珠詩格』 堀川貴司
近世後期詩壇と南宋詩―性霊派批判とその反応 池澤一郎
江戸の江湖詩人―化政期の詩会と出版 張淘
域外漢籍に見える南宋江湖詩人の新資料とその価値 卞東波(翻訳:會谷佳光)
プロフィール

内山精也(うちやま・せいや)
1961年新潟県柏崎市生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授、博士(文学)。専門は宋代文学。
主な著書に『蘇軾詩研究 宋代士大夫詩人の構造』(研文出版、2010年10月)、『伝媒与真相 蘇軾及其周囲士大夫的文学』(上海古籍出版社、2005年8月)などがある。

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