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唐物とよばれる舶載品は、奈良から平安、そして中世や近世まで、どのように受容され、日本文化史に息づいているのだろうか。唐物交易の時代的変遷とその実態からみた異国との交流史、唐物を結節点とする漢と和の関係性への分析、人物とその権力の表象としての唐物の関係性について美術品や歴史資料のみならず、文学資料も用いて明らかにする。※河添房江・皆川雅樹(編)『唐物と東アジア―舶載品をめぐる文化交流史』 (「アジア遊学」147号(2011年11月)の新装版。
河添房江(かわぞえ・ふさえ) 1953年生まれ。東京学芸大学教育学部教授。『源氏物語』を中心に平安文学を専攻。特に唐物を媒介に、古典文学と東アジアの関係を研究している。主な著書に『源氏物語表現史』(翰林書房、1998年)、『性と文化の源氏物語』(筑摩書房、1998年)、『源氏物語時空論』(東京大学出版会、2005年)、『源氏物語と東アジア世界』(NHKブックス、2007年)、『唐物の文化史』(岩波新書、2014年)などがある。皆川雅樹(みながわ・まさき) 1978年生まれ。専修大学附属高等学校教諭。専門は日本古代史。日本列島を中心とした古代東アジアにおけるモノの交流史と政治・文化史との連関などを研究している。主な著書に、『日本古代王権と唐物交易』(吉川弘文館、2014年)、『訳註日本古代の外交文書』(共著、八木書店、2014年)、『教育が開く新しい歴史学』(共著、山川出版社、2015年)などがある。