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中国・六朝時代に生き、山水文学の祖であるとともに、儒・道・仏に通じた博学多才の詩人として知られる謝霊運。その詩文は後世の文人たちに大きな影響を与え、学識と矛盾に満ちた数奇な人生とが相俟って、その人物像についても、中国史上他に類を見ない独自のイメージを形成している。本書は思想的な背景となった六朝期の仏教や道教にも目を向けつつ、日本文学における謝霊運受容の軌跡を追い、六朝文化の日本における受容のあり方を体系的に検討する。謝霊運を日本文学・中日比較文学研究としてとりあげる初めての試み。
蒋義喬(しょう・ぎきょう)北京師範大学外文学院准教授、早稲田大学日本古典籍研究所招聘研究員。専門は平安朝漢詩。主な論文に「詠物詩から句題詩へ―句題詩詠法の生成をめぐって(『和漢比較文学』35号、2005年)、「詠物と言志―『懐風藻』から勅撰三集に至る」(『日本における「文」と「ブンガク(bungaku)」)』アジア遊学162、勉誠出版、2013年)、「菅原道真的詠物詩與杜甫詩歌的関連」(『日語学習與研究』2018年第2号)などがある。
★執筆者(論考順)蒋義喬(北京師範大学外文学院・准教授、早稲田大学日本古典籍研究所・招聘研究員)林暁光(浙江大学人文学院・副教授)呉冠文(復旦大学古籍所・副研究員)船山徹(京都大学人文科学研究所・教授)土屋昌明(専修大学経済学部・教授)李静(澳門城市大学人文社会科学学院・助理教授)高松寿夫(早稲田大学文学部・教授)山田尚子(成城大学文芸学部・准教授)後藤昭雄(大阪大学・名誉教授)佐藤道生(慶應義塾大学文学部・教授)荒木浩(国際日本文化研究センター・教授、総合研究大学院大学・教授)黄昱(日本女子大学・非常勤講師、青山学院大学・非常勤講師、国文学研究資料館・特定研究員)河野貴美子(早稲田大学文学学術院・教授)堀川貴司(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・教授)高兵兵(西北大学文学院・教授)岩山泰三(山東大学外国語学院・講師)深沢眞二(和光大学人文学部・教授)深沢了子(聖心女子大学日本語日本文学科・教授)陳可冉(四川外国語大学日本語学部・准教授)合山林太郎(慶應義塾大学文学部・准教授)