ニホンキンセイシャカイトマチヤクニン

日本近世社会と町役人

望月良親 著
ISBN 978-4-585-22266-8 Cコード 3021
刊行年月 2020年2月 判型・製本 A5判・上製 256 頁
キーワード 日本史,江戸,近世

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
彼らは如何にして自身の家を存続させていったのか―

日本近世社会において、都市の支配者である武士と民衆との結節点を担った町役人。
商人などの新興勢力とのせめぎあいの中で、彼らはその職掌を守るべく、様々な手立てを講じていた。
甲斐国の甲府町年寄を代々務めたとされる坂田家、十七世紀半ばから幕末期にかけての社会変容の中で、彼らはどのようにして中世以来続く世襲町役人としての位置を確固たるものとし、近世社会を生きていったのだろうか。
伝来の文書等諸史料の博捜により明らかにし、新たな近世社会の様相を描き出す。

 

 

目次
はしがき

序 章 近世都市史研究の課題と本書の構成
 はじめに
 第一節 近世都市史研究の現在
 第二節 町役人の研究をめぐって
 第三節 分析対象の概観
 第四節 本書の構成

第一章 町役人の系譜―坂田忠家と甲府町年寄
 はじめに
 第一節 一七世紀後半の甲府と甲府町年寄
 第二節 甲府町年寄の盛衰
 第三節 坂田家の「筋目」と甲府町年寄
 おわりに

第二章 享保期における町役人の変容―享保九年の甲斐国幕領化を事例に
 はじめに
 第一節 享保九年柳沢吉里の転封と町方
 第二節 「久敷事をも覚罷在候者」
 おわりに

第三章 町役人と将軍年始参上
 はじめに
 第一節 将軍年始参上の許可
 第二節 江戸参上の由緒形成
 第三節 「先格」の実像
 第四節 安永六年の将軍年始参上
 第五節 寛政六年の変化
 おわりに

第四章 幕領の町役人と江戸―江戸へ去る幕府役人
 はじめに
 第一節 安永六年の甲府町年寄坂田忠尭と将軍年始参上
 第二節 甲府町年寄と江戸
 おわりに

第五章 甲州騒動と「御救」
 はじめに
 第一節 思い起こされる天明七年の「御救」
 第二節 甲州騒動後における甲府の「御救」
 第三節 幕末の「御救」
 おわりに

第六章 移動する将軍と町役人の将軍年始参上
 はじめに
 第一節 町役人はどこに行く
 第二節 将軍が居る畿内
 第三節 江戸に集う町役人
 おわりに

終 章 近世都市と町役人の家
 第一節 甲府町年寄と坂田家
 第二節 町役人の家
 第三節 町役人の近代
 第四節 都市史を拡げるために

あとがき
初出一覧
索 引
プロフィール

望月良親(もちづき・よしちか)
1981年生まれ。高知大学人文社会科学系教育学部門講師。専門は日本近世史。
論文に「近世の町役人と記録―甲府町年寄坂田信齋の明治維新」(『海南史学』57、2019年)、「近世長良川鵜飼観覧研究序説」(『岐阜市歴史博物館研究紀要』24-1、2019年)、「幕末の美濃国と幕府領―文久元年の箱訴と私領化の風聞」(『岐阜市歴史博物館研究紀要』23、2017年)などがある。

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