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社会的・文化的に最も劇的な変容を遂げた幕末明治期において、「詩」や「歌」なるものは、いかなる政治的社会的役割を担ったのか。これらの文芸ジャンルに何が期待され、その概念に託されたものは一体何だったのか―。前近代以来継承された伝統文芸としての和歌、そして明治十年代に欧米詩の模倣から始まった新体詩の展開を、前近代から近代へと続く史的展開のなかに位置づけ、政治史や思想史・社会史・文化史など複合的な視点から、社会的行為としての文芸の営みを鮮やかに描き出す快著。
青山英正(あおやま・ひでまさ)1972年生まれ。明星大学准教授。専門は19世紀の日本文学(特に詩歌)および文化。著書に『幕末明治 移行期の思想と文化』(共編著、勉誠出版、2016年)、論文に「古典知としての近世観相学―この不思議なる身体の解釈学」(前田雅之編『もう一つの古典知』アジア遊学155、勉誠出版、2012年)、「与謝野晶子の星の歌―『みだれ髪』と土井晩翠」(鈴木健一編『天空の文学史 太陽・月・星』三弥井書店、2014年)などがある。
★書評・紹介★「日本歴史」6月号(2021年6月)に書評が掲載されました →評者:盛田帝子(京都産業大学外国語学部教授)