カートは空です。
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中国の作家たちは儒教倫理とつきあいながら人間の真実を表現してきた。フェティッシュな表現に男の愛を託した陶淵明の「閑情賦」、愛する女との別れを語った元稹の「鶯鶯伝」、女性のすさまじい性欲を描いた柳宗元の「河間伝」など…。古来、解釈が定まらない古典作品を、「規範からの逸脱、規範への回帰」という創作手法を鍵として再解釈。その真の主題、作家としての姿勢・戦術を解き明かす。
下定雅弘(しもさだ・まさひろ)岡山大学名誉教授。文学博士。日本杜甫学会会長。六朝及び唐代の詩人、陶淵明・杜甫・白楽天・柳宗元等を専門とする。著書に『白楽天の愉悦―生きる叡智の輝き』(勉誠出版、2006年)、『柳宗元―逆境を生きぬいた美しき魂』(勉誠出版、2009年)、『白楽天』(角川ソフィア文庫、2010年)、『長恨歌―楊貴妃の魅力と魔力』(勉誠出版、2011 年)、『柳宗元詩選』(岩波文庫、2011 年)、『陶淵明と白楽天―生きる喜びを詠い続けた詩人』(角川選書、2012年)、『中唐文学研究論集』(中華書局、2014年)、『精選漢詩集―生きる喜びの歌』(ちくま新書、2014年)、『白居易と柳宗元 混迷の世に生の讃歌を』(岩波現代全書、2015年)、『寂嚴和上漢詩集 松石余稿訳注』(宝島寺古文書研究会読解・下定雅弘監修、宝嶋寺、2017年)。共編著に『東北アジアの幸福観』(荒木勝・山口和子と共編著、岡山大学出版会、2011 年)、『宮内庁所蔵 那波本 白氏文集』一~四(神鷹徳治と共編、勉誠出版、2012年)、『杜甫全詩訳注』一~四(松原朗と共編訳、講談社学術文庫、2016年)、『朝鮮漢詩古今名作選』(豊福健二と共編著、勉誠出版、2019年)などがある。