アジア遊学285
カオストカクシンノメイジブンカ

渾沌と革新の明治文化

文学・美術における新旧対立と連続性
井上泰至 編
ISBN 978-4-585-32531-4 Cコード 1391
刊行年月 2023年8月 判型・製本 A5判・並製 240 頁
キーワード 美術,文化史,和歌,昭和,大正,明治,近現代,近代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

明治期の近代化の波は、旧来の和歌・俳句・漢詩・演劇・美術など文芸に関する諸ジャンルにも及んだ。
これら諸ジャンルは、小説を中心とする新しいメディアや技法の展開とも関わりつつ、相互に絡み合い、新たな時代における「あるべき姿」をそれぞれに模索していった。
「旧きもの」と「新しきもの」の相克と渾沌から見える〈可能性〉とは何か。
「カオス」そのものに文化の「所在」を見すえる新たな視点を提示する。

 

 

目次
序にかえて―高山れおな氏『尾崎紅葉の百句』に思う 井上泰至

1 絵画
明治絵画における新旧の問題 古田亮
秋声会雑誌『卯杖』と日本画・江戸考証 井上泰至
好古と美術史学―聖衆来迎寺蔵「六道絵」研究の近代 山本聡美
挿絵から見る『都の花』の問題―草創期の絵入り文芸誌として 出口智之
【コラム】目黒雅叙園に見る近代日本画の〝新旧〟 増野恵子

2 和歌・俳句
【書評】青山英正『幕末明治の社会変容と詩歌』合評会記 青山英正
子規旧派攻撃前後―鍋島直大・佐佐木信綱を中心に 井上泰至
「折衷」考――落合直文のつなぐ思考と実践 松澤俊二
新派俳句の起源―正岡子規の位置づけをめぐって 田部知季
【コラム】「旧派」俳諧と教化 伴野文亮

3 小説
仇討ち譚としての高橋お伝の物語―ジャンル横断的な視点から 合山林太郎
深刻の季節―観念小説、『金色夜叉』、国木田独歩 木村洋
名文の影―国木田独歩と文例集の時代 多田蔵人

4 戦争とメディア
【コラム】川上演劇における音楽演出―明治二十年代の作品をめぐって 土田牧子
【書評】日置貴之編『明治期戦争劇集成』合評会 日置貴之・井上泰至・山本聡美・土田牧子・鎌田紗弓・向後恵里子
絵筆とカメラと機関銃―日露戦争における絵画とその変容 向後恵里子
プロフィール

井上泰至(いのうえ・やすし)
防衛大学校教授。専門は日本近世文学。
主な著書に『近世刊行軍書論』(笠間書院、2014年)、『近世日本の歴史叙述と対外意識』(編著、勉誠出版、2016年)、『関ケ原はいかに語られたか』(編著、勉誠出版、2017年)、『関ヶ原合戦を読む―慶長軍記 翻刻・解説』(勉誠出版、2018年)などがある。

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