トシカマクラノテンカイトツルオカハチマングウノシャジンシュウダン

都市鎌倉の展開と鶴岡八幡宮の社人集団

佐藤博信 著
ISBN 978-4-585-32050-0 Cコード 3021
刊行年月 2024年10月 判型・製本 A5判・上製 274 頁
キーワード 宗教,日本史,鎌倉,中世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細

神仏習合時代の鎌倉の鶴岡八幡宮は、別当(社家)・供僧(院家)・小別当・神主・社人によって構成される寺院であった。なかでも、社僧・伶人・巫女・神官・大工棟梁などそれぞれの専門職能(家職)をもって奉仕した社人たちは、八幡宮の聖と俗の境界領域をまたぐ場で公私に及び活動し、長く一つの独自の世界を作り出して来た。彼らの豊かな歴史と伝統は、鎌倉期だけでなく江戸期に至るまで存在した。
各地・各分野に残された断片的史料から、社人たちの公私にわたる歴史的役割を具体的に明らかにし、彼らを鶴岡八幡宮のみならず都市鎌倉を下から支えた存在として改めて注目することで新たな鎌倉史像を打ち立てる。

 

 

目次
カラ―口絵
はじめに
凡 例

第一部 鎌倉・八幡宮史のなかの社人
第一章 「新編相模国風土記稿」などにみる八乙女・神楽男・伶人たち
第二章 八乙女・神楽男・伶人たちの由緒・来歴について

第二部 中世後期における社人の活動
第一章 南北朝・室町期の八乙女・神楽男・伶人たち―「香蔵院珎祐記録」を中心に―
第二章 戦国期の八乙女・神楽男・伶人たち―「快元僧都記」を中心に―
第三章 「小田原衆所領役帳」にみる八幡宮領と社人たち

第三部 近世における社人の活動
第一章 江戸幕府の成立と社人たち―法度の世界へ―
第二章 寛永十七年付八幡宮領社人分名寄帳の世界―社人四十七名の実態―
第三章 八幡宮と極楽寺長吏について―放生会・犬神人・「鶴岡丹裘役」―
第四章 八乙女・神楽男・伶人たちの「御仕役」について―紀行文にみる世界―
第五章 社人の「内業」について―旅宿・絵図・名所記刊行―
第六章 八乙女大石家の本陣化とその背景について

第四部 雪の下の世界と社人・非社人の活動
第一章 八幡宮門前の旅宿について―文政四年段階の状況―
第二章 八幡宮西門周辺の世界Ⅰ―社人たち―
第三章 八幡宮西門周辺の世界Ⅱ―非社人たち―
第四章 八幡宮西門周辺の世界Ⅲ―猿茶屋と岡崎氏・川瀬氏―
第五章 八幡宮西門周辺の世界Ⅳ―坂・峠・境―

第五部 史跡都市鎌倉の展開と社人・非社人の活動
第一章 中世鎌倉の旅宿の様相―戦国期を中心に―
第二章 鎌倉絵図・鎌倉名所記の刊行Ⅰ―社人を中心に―
第三章 鎌倉絵図・鎌倉名所記の刊行Ⅱ―非社人を中心に―
第四章 史跡都市化と八幡宮Ⅰ―享保年代を中心に―
第五章 史跡都市化と八幡宮Ⅱ―天保・弘化年代を中心に―
第六章 史跡都市鎌倉と案内人―旅宿・茶屋・老若男女―

第六部 社人の多面的な活動と軌跡
第一章 社人の八幡宮領目代化について―社人の政治参加をめぐって―
第二章 供僧・神主・社人の立ち位置について―宝蔵・宝物をめぐって―
第三章 社人内部の問題について―「仲間」をめぐって―
第四章 社人と非社人の融合について―婚姻関係をめぐって―
第五章 社人の権威志向について―戒名・由緒・装束をめぐって―
第六章 社人の文化的活動について―俳諧・史跡顕彰をめぐって―
第七章 文久二年四月吉日付八幡宮灯籠にみる社人たち―近代への夜明け―

おわりに

参考事項
主要参考文献
あとがき
プロフィール

佐藤博信(さとう・ひろのぶ)
千葉大学名誉教授。専門は中世東国史。
主な著書に『古河公方足利氏の研究』(校倉書房、1989年)、『中世東国日蓮宗寺院の研究』(東京大学出版会、2003年)、『越後中世史の世界』(岩田書院、2006年)、 『中世東国足利・北条氏の研究』(岩田書院、2006年)、『中世東国政治史論』(塙書房、2006年)、『安房妙本寺日我一代記』(思文閣出版、2007年)、 『中世東国の権力と構造』(校倉書房、2013年)、『中世東国日蓮宗寺院史論』(塙書房、2022年)、『中世東国日蓮宗寺院の地域的展開』(勉誠出版、2022年)などがある。

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