「地域情報学(Area Informatics)」という文理融合型の新しい共同研究が提唱されて、わずか数年ほどが経過したにすぎない。コンピュータ利用による情報学と、グローバリズムの影響下でますます重要性が唱えられている地域研究とが、それぞれ互いに必要とする学知であることを認め合い、その融合をはかろうとしている。この新しいアプローチは、ある意味、時代の産物、いな時代の要請であるがゆえに、国内外を問わず、現在進行形で創出されている最中である。このことは、本誌に掲載した座談会や、つづく総論「地域情報学の目指すところ」をお読みいただければ、お分かりいただけることと思う。