石川県立図書館蔵川口文庫善本影印叢書2
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『和漢朗詠集私註』『文筆問答抄』

柳澤良一 編
ISBN 978-4-585-03182-6 Cコード 3391
刊行年月 2010年5月 判型・製本 A5判・上製 392 頁
キーワード 中古,漢文

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細

◎川口文庫 
・平安朝漢文学史研究の大家故川口久雄博士の旧蔵書で、日本の物語文学古典籍など貴重書を多く有する。図書約13,000冊(国書、漢籍を含む)学術雑誌約4,000冊。

◎編集方針
・本叢書は、貴重な典籍コレクションの宝庫である石川県立図書館所蔵「川口文庫」より、特に学術的価値ある資料を中心に選び影印刊行する。菅原道真の漢詩文集『菅家文草』をはじめ、『和漢朗詠集私註』『文筆問答抄』『江吏部集』『無題詩』5点を収録。
・各巻の巻末には、各典籍の底本及び諸本の成立・内容に関する詳しい解題を附し、研究の便宜を図った。

◎本書の特色
・漢詩漢文に関する古典籍の未公開資料、稀覯書を初公開。
・和漢古典文学研究に必備の基礎資料集成。

 

 

目次
和漢朗詠集私註(わかんろうえいしゅうしちゅう)
六巻一冊、足利末期古写本
『和漢朗詠集』を読む初学者のための漢詩句の注釈書。釈信阿(信救・覚明)編。1161年(応保元)成立。『朗詠江注』の後を承けての注釈書で、すべての詩句に丁寧な注を施し、詩句の意味を要約して示すなど、注釈書として大変ゆきとどいている。鎌倉期以降に相次いで書かれた朗詠注は、多くの本書を下敷きにして書かれている。川口文庫本は、足利末期の貴重な古写本で、欄外に注記(書き込み)も多く、他本には見られないこの種の注記の研究が急がれる。

文筆問答抄(ぶんぴつもんどうしょう)二巻一冊、寛永5年古写本 
漢詩文制作のための参考書。二巻または三巻。二巻が原形。室町時代の印融(1435年〜1519年)著。印融は、「武蔵国橘樹郡久保村の産、高野山に学び無量光院に住したが晩年故山に帰り神奈川の鳥山三会寺を興した。空海の再来といわれたほど室町期の代表的悉曇学者であると共に唱導家であった。」(川口久雄『三訂 平安朝日本漢文学史の研究 下』885頁。)中国の『詩人玉屑』や空海の『三教指帰』『文鏡秘府論』、また平安時代の『作文大体』など、先行の詩論書を多数引用し、漢詩文を作るための知識を網羅する。伝本には写本に1591年(天正19)の奥書をもつ尊経閣文庫本(二巻本)があり、版本に1681年(延宝9)刊行の三巻本がある。川口文庫本は、1567年(永禄10)西院養智院賢栄本を1628(寛永5)に歓心寺檜尾山菊蔵院宣海が写したことがわかる古写本で、尊経閣文庫本よりも古い貴重な写本である。奥書末尾に「于時寛永五〈戊辰〉暦五月廿二日、法印僧都宣海写也〈五九才〉。阿州観心寺檜尾山菊蔵院也」とある。

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